グラント・リー・バッファローさんのコメント: 更新順
ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米) | ジム・ジャームッシュ作品ではいつも必要最小限のシンプルな背景のもと展開していく。「タクシーの中」「夜の都市」といった舞台はこのうえなく簡潔で、だからこそぽっかり開いた心地よい間が感じられる。 | [投票] | |
ミスター・ロンリー(2007/英=仏=アイルランド=米) | ものまね芸人はいつもどこか悲しさを感じさせる。そのなかでもマイケル・ジャクソンとマリリン・モンローのものまねはひどくもの悲しい。それは、真似の対象となる彼らのショービズの裏側のにある素顔に悲しさを感じさせるからだろう。シスターの奇跡とかアイディアは冴えるが、流れは単調で息苦しい。(★2.5) | [投票] | |
さらば箱舟(1982/日) | 寺山修司作品は独善的すぎて鼻につく。しかし、モチーフになった作品のおかげか、本作では閉鎖的で陰惨にもかかわらず、どこか温もりを感じさせる共同体を描き出していた。『アンダーグラウンド』に近いものを感じた。 | [投票(2)] | |
フレンチ・コネクション(1971/米) | 薄汚くタフで執念深い刑事ポパイと、おんぼろでけたたましい鋼鉄の音をたてるニューヨークの高架鉄道(地下鉄)の佇まいが絶妙にマッチしている。 | [投票(1)] | |
ラスト、コーション(2007/米=中国=台湾=香港) | 肉欲の檻 [review] | [投票(2)] | |
母べえ(2007/日) | 藤沢周平三部作以上に重いテーマを扱った話なのだが、不思議と三部作にあった重厚さを感じることが少なかった。むしろ、穴の開いた靴下だとか笑福亭鶴瓶とかの軽みが本作に一陣の涼風を与えてくれた。 | [投票] | |
硫黄島からの手紙(2006/米) | ドブネズミのように [review] | [投票] | |
PEACE BED アメリカVSジョン・レノン(2006/米) | 戦場のジョン・レノン [review] | [投票(1)] | |
暗殺 リトビネンコ事件(2007/露) | 「どこから来たのか?」(レビューはラストに言及) [review] | [投票] | |
ペルセポリス(2007/仏=米) | アッバス・キアロスタミやモフセン・マフマルバフ作品とは趣の異なるもう一つの(フランス映画風味の)イラン映画。いろいろあったけど、それでもまだ彼女の人生は始まったばかり。 | [投票] | |
マリア・ブラウンの結婚(1979/独) | 吹き飛ぶヒトラーの肖像(レビューはラストに言及) [review] | [投票] | |
再会の街で(2007/米) | 対象をじっと見守っていく優しげな視線。地味だが『息子の部屋』にも通じる忍耐強さと暖かさを感じられた。夜景を中心としたニューヨークの美しいロケーションが物語に彩りを加える。 | [投票] | |
眠り姫(2007/日) | ただでさえ存在感が希薄で浮遊観に満ちた山本直樹作品に、存在を映さない特殊なアプローチをしてしまうと、あまりにも色合いが淡すぎてもうほとんど何も見えなくなってしまう。音楽はすごくこの雰囲気にマッチしていると思った。 | [投票] | |
ファニーとアレクサンデル(1982/独=仏=スウェーデン) | ドラマとしても手堅い作品でありながら、幻想的なシーンも自然に織り交ぜている。冒頭の死神とか、人形遣いの家の不思議な能力をもった弟の存在とか、これだけの長編でありながら謎めいた余韻を残してくれる。 | [投票(1)] | |
儀式(1971/日) | 例えば『ゴッドファーザー』のように深く濃密な世界が映し出されていれば結婚式から始まる各儀式も存在感をもつが、本作のように図式的な骨組みだけを見せられると興醒めしてしまう。「儀式」が象徴する「戦後社会」を撃つ以前に、大島渚による儀式の描き方が硬直的(すなわち「儀式的」)だから、思想をたぶらかしたお遊戯にしか見えない。(★2.5) | [投票(3)] | |
父親たちの星条旗(2006/米) | クリント・イーストウッド作品の登場人物はたいてい緩やかな下り坂の運命をたどっていくことが多い。しかしながら、丹念にその人物を描いていくので、醜悪な印象は受けず一種の慎ましさを感じる。運命の過酷さを描きながらも、本作の人物に向けられる視線には暖かさがうかがえる。 | [投票(3)] | |
once ダブリンの街角で(2006/アイルランド) | "cheap and nice sense" [review] | [投票(1)] | |
スケアクロウ(1973/米) | 公園の奔流と彫刻 [review] | [投票] | |
花蓮の夏(2006/台湾) | ウォン・カーウァイというよりは、ほんのりウォン・カーウァイ風味の『渚のシンドバット』といった趣き。至るところで作品の青さが鼻につくが、相手に対して思い切りぶつかっていくエモーショナルな部分は好感が持てる。 | [投票] | |
カポーティ(2006/米=カナダ) | クシシュトフ・キェシロフスキの作品を思い出した。ある作品に展開が似ているというだけではなく、画面の引き締まり具合や厳粛さがキェシロフスキ作品の雰囲気に近いのだと思う。犯人の行方やカポーティの苦悩を「冷血」に見守る視線(★3.5) | [投票] |