★4 | ミッドナイトクロス(1981/米) | それでも、男は仕事をとる。彼なりのそれが歪んだ愛のカタチなのだろうか?
寒空のもとベンチに腰かけ、イヤホンで彼女の声に耳を傾けようと、残酷だな、と思う。そしてやっぱり、彼女のように利用されちゃダメだ。反面教師にしよう! と
夏の昼下がりに固く誓う。 | [投票] |
★3 | さよならみどりちゃん(2004/日) | タイトルである〈みどりちゃん〉が出てこないとこが、とても素晴らしい。きっと女というものは、〈見えない人〉に嫉妬し恐怖に怯え意地になり、はたまた結果一途になる生き物なのでしょう。ユタカの視点がうまく表現できていたら、平成の『浮雲』になったかもしれないのに…。もったいない。 | [投票(1)] |
★5 | 愛人/ラマン(1992/英=仏) | 船のデッキに足をかける少女。泥水のようなメコン河。青空に浮かぶ白い雲。
それが二人の悲恋への幕開けだった。恋に堕ちた男はやがて「出会わなければ良かった」とアヘンを吸いながら呟く。決して人前で泣くことを許されない少女は、
金のためと突き放す。コントラストと官能が織り成す鮮やかな美学。 | [投票(2)] |
★4 | 運命じゃない人(2004/日) | 時間軸を上手く使った映画。と言えばそうなんだけど、タランティーノやガイ・リッチーのようなスタイリッシュさがあるわけではなく、どちらかと言うと地味で鈍くさい。が、台詞の言い回しが演劇的のようなコントのようなセンスがあって、なんとも不思議な作品。
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★4 | 空中庭園(2005/日) | 原作を読んではじめて、豊田監督の脚本の上手さを感じた。この監督の持ち味は
映像だと認識していたけど、そーじゃなかった。6人の心理描写で構成され、全員の気持ちがすれ違っている小説を、もう一度新たに組み立て直し、大きな物語(映画)にすることができたのは、棋士養成時代の修練がなせる技? | [投票] |
★5 | 渚のシンドバッド(1995/日) | 人の想いはいつも一方通行。受けとめてくれる人がいたら、それはもしかすると
妥協かもしれない。…なんて考えると怖くなる。片想いが連鎖して小さな波を起こし、
やがて波濤となって、橋口ワールドにのみこまれてしまう。後には、蒼くて深い海が広がっているような感覚。「なみだは人間の作るいちばん小さな海です。by寺山修司」 | [投票] |
★5 | パッチギ!(2004/日) | 前半の散漫にみえた数々のエピソードを、葬式のシーンから一気にシンクロさせる構成に、全身の毛穴が総毛立った。これできる脚本家って、なかなか現在の日本映画界にはいないんですよね。三谷さん、クドカン、羽原さん、全員舞台出身の人たちだけど、やっぱり場数をこなしてるからか、群像劇を書くのが上手い。 | [投票(1)] |
★3 | 恋愛小説(2004/日) | 普通に予測がつくストーリー。定石通りなので、見ている人間が全部先が読めるというのは、いかがなものか? 不測の事態があった場合に、人は感動したり不安になったりするわけで、ラストの絵の裏に隠されたあの出来事みたいなことを、作り手がもっと考え捻り出してくれていたら、秀作になっていたのでは? | [投票] |
★4 | 浮雲(1955/日) | 女に節操のないダメ男を愛してしまったばかりに、一人の女の人生が、転落していく。
女流作家がこのような題材を手にすると、ともすると、女性特有のナルシズムが鼻につき、他人から見たら、ただの「イタイ人」になりがちになるのだが、相手の男の言い分を描くことによって、絶妙なバランス感覚を保っている。 | [投票] |
★5 | オアシス(2002/韓国) | 頭がちょっと足りない男と、障害者の女の愛の物語。キミたち、脚本とはこういうモンだよ、と諭されたくらいの緻密な構成。たぶんイ・チャンドンは、ワイルダー級の力量かもしれません。だからと言って、多くの人が見るわけでもないのね。映画って不思議。関係ないけどDVDのパッケージはイケてない。あれじゃ、アングラな二人芝居と思われそう。 | [投票] |
★2 | 妹(1974/日) | なぜ、兄の前であられもなく乳を見せる? 近親相姦モノかと思ったらそうでもないらしい。制作者はハダカを見せれば客が喜ぶと考えてんだろうか? たぶん…きっと…そうなんだろうな。女優を脱がすだけしか、日本映画の活路を見出せない主観的マーケティングに、暗澹たる気持ちになった。そしてそれを現在も継承してることも。 | [投票] |
★5 | 犬神家の一族(1976/日) | すっごい昔に見て、なんだかよくは分らないけど怖いイメージだった
(菊人形の上に××とか)。でも、こんなにもグロい話だったのか…。男色・処女嫁なんて、子供には漢字変換できません。現在の韓国映画にも通じるし、それ以上の面白さ。市川崑監督は女の「美と醜」を撮るのが上手い。そのコントラストが恐怖に繋がっていたのね。 | [投票(1)] |
★4 | モンスター(2003/米=独) | バカで傲慢な女、と一笑に付すのはたやすい。誰しもが、如才なく生きていけるわけではない。運とか生まれ落ちた環境で、人生が決まってしまうという不平等。やり直しのきかない現実。一人の人間を愛しても、そこから萌芽してくる憎しみ。全てを諦めてしまおうという価値観。それに抗おうとする独りぼっちの怪物。 | [投票] |
★2 | ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米) | 一言で言うなら、画面のついてる小説朗読会&合間にちょっとした小芝居。別に文盲じゃないし、小説読んで貰わなくてもいいんですけど…。でも結局、字幕を読まざるをえない英語圏以外の人たち。かなりの苦痛地獄。人を楽しませようという気持ちが、まるきりないことに唖然。やっぱりこの監督、確信犯だったのね。
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★5 | OLの愛汁 ラブジュース(1999/日) | 女は全てを受容したいと欲し、男はそれを頭で拒否する。そのズレを上手く描いた脚本。若き才能、武田浩介。あなたは一体何者なんですか? 女の視点から、こんなにも愛しく優しく撮ったブルー・フィルムを私は知らない。
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★3 | 17歳の風景 少年は何を見たのか(2004/日) | ATGばりの実験映画。今の時代、これをできちゃうのは、監督の実績があってのことだと
思います。いくつになっても、怒りを持続してるって何なのだろう。針生一郎の
台詞に託された天皇制批判は……スゴイです。&柄本佑くんの存在感と根性が圧巻。 | [投票(1)] |
★4 | 恋の門(2004/日) | 強烈な劣等感と狂気を持つ男・松尾スズキ [review] | [投票(2)] |
★5 | 藍色夏恋(2002/台湾=仏) | たぶん一生消えないひっかき傷 [review] | [投票(4)] |
★4 | 2046(2004/中国=仏=独=香港) | 男は自分の孤独や虚無感を一瞬でも忘れるために、女と遊ぶのかもしれないが、女は美しい顔と残酷な心をあわせもつグロテスクという甘い蜜に吸い寄せられる。物語はまるで、灯籠に群がる蝶々の華やかな饗宴。つまり男と女も〈なにもない〉ことに幻想を抱いて生きていくしかない、ということ。それを人は愛と呼ぶだけ。 | [投票(2)] |
★2 | 息子のまなざし(2002/ベルギー=仏) | 父親のオチの一言いう為に、何十分費やしてるの?私なら正直会って3分で言えるわ。(物語にもなんないじゃん!)世の中、こんなに謙虚というか呑気というかジレッタイというか、思ってること口にできない人ばかりなの?そりゃストレスたまるよね。いっその事タイトル「のんき君」にしちゃえばいいのに(笑)。 | [投票] |