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赤い戦車さんのコメント: 更新順

★4EO イーオー(2022/ポーランド=伊)傑作。齢80にしてなんという荒々しさか。端正なフィクスと縦横無尽なドローン空撮、魚眼レンズ、逆再生、スローモーション等の組み合わせで生み出されるトリップ感とダイナミズム。頻出する回転運動はやがて円環の煉獄となり閉ざされるだろう。中盤の風力発電機を捉えたドローン映像は、ドローン空撮史に残るのではないか。 [review][投票(3)]
★4名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022/日)2023年現在、白石麻衣出演映画で安心して見られる唯一の作だ。現実離れしたスラップスティックアクションとロシア語を交えた攪乱が、クライマックスで急に現実の渋谷の地形と地続きになる感覚が悪くない。3.5[投票]
★4死闘の伝説(1963/日)北海道の小村を舞台にした本作はロングショットメインで構成されるため木下の悪い部分も目立たなくなる。手前と道の奥の人物とのすれ違いを豆粒のような小ささで捉えた画などまるで「アラビアのロレンス」だ。ナレーションと台詞は説明過多、ずっと鳴り響くアイヌ楽器は訳のわからんノイズと化している(これは鳴り止む瞬間が珍妙で効果的とも言えるが)ので全肯定はし難いが、楽しめる映画。[投票]
★4伊賀野カバ丸(1983/日)それにしても鈴木則文の爆発力は凄い。この監督の漫画原作映画は好き放題やっていてゴダールの域にまで到達する瞬間がある、なんて言うと怒られるか?[投票(1)]
★3フェイブルマンズ(2022/米)郷愁と見せかけて家庭の不穏を中途半端に描く、スピルバーグ印の変な映画がまた一つ。思えばスピルバーグの描く「夫婦」或いは「親子」は、『続激突』や『未知との遭遇』の頃から常にどこか歪さを抱えていたわけで、今作でそういった主題を採用したからといって特に驚きはしない。3.5 [review][投票]
★4明日なき追撃(1975/米)カーク・ダグラス監督・製作・主演の西部劇、と聞くとつまんなさそうだが中々見応えのある出来。 [review][投票]
★3“それ”がいる森(2022/日)中田秀夫の復活を願って幾星霜。未確認生物の造型はあれでいいと思う。ホラーとして弱さを感じるのは、例えば犠牲者の殺し方がワンパターン過ぎる部分や、そもそもの「森」に全く不気味さを感じない所。これではその辺の林で撮ったように見えるではないか。場面転換も「それ」との格闘の最中に別の場所に移動したりと、編集担当のリズム感を疑ってしまう。[投票(1)]
★4#生きている(2020/韓国)走るゾンビの中では好感の持てる方。特に前半部、音を立てると気付かれることからサイレント的に「裏窓」シチュエーションを描写するのが良い。トランシーバーを得てから求心力が落ちるのは否めないが。咄嗟に隣室の電話を鳴らして難を逃れたり、ベランダに雨天時の水溜めを置く用の金具をいつの間にかセットしているなど、細部の膨らみが良い。3.5[投票]
★3カラダ探し(2022/日)「橋本環奈の死にざまで遊ぼう」ですらない温い企画。[投票]
★4マキシマム・ソルジャー(2013/米=カナダ)ことによるとハイアムズで1番面白いかもしれない。小さな島内での簡潔な活劇。悪役を演じる時のヴァンダムは怖い。[投票]
★4ありふれた愛に関する調査(1992/日)邦画の探偵ものとして成功している貴重な一作では。気持ち悪い荒井晴彦台詞もこういうハードボイルドものだと浮かずに様になっているような。また、殺しの描写がどれも北野武風の簡潔かつインパクトのある演出で結構気に入った。[投票]
★4フレッシュ・アンド・ボーン 渇いた愛のゆくえ(1993/米)ちょっと作りすぎとも思うがこのジェームズ・カーンの邪悪さは見もの。冒頭部など妙に怖いノワール風でもあるし、メグ・ライアンとパルトローの風通しの良さで魅せるロードムービー風でもある、謎めいた感覚が楽しい。[投票]
★3新宿純愛物語(1987/日)私が観てきた映画の中で間違いなく最も下手くそな挿入歌に頭が真っ白になる。追跡が映画の基本構造で舞台は新宿限定、主演2人を初め偶然の出会いで話が進んでいくというのは、ファンタジーとして結構な強度があるとは思う。ただ、仲村トオルに倫理観が無さすぎるのと、身の毛もよだつ寒い台詞・演出が連発されて色んな意味で理解不能。観ていて色んな意味で驚きはある。[投票]
★4KIMI サイバー・トラップ(2022/米)この監督にしては面白い仕上がりで、さらにまさかの『裏窓』展開で二重に驚く。近年のソダーバーグは作家的野心すらも消え去った結果、今までに培ったテクニックだけが残り、それが本作のような単純サスペンスを作るにあたって功を奏したのだろう。なかなかの拾い物。[投票]
★4左様なら今晩は(2022/日)乃木坂は橋本奈々未引退以降はずっと久保推しだったので、本人が映ってるだけで喜んでしまう部分もなくはないが、贔屓目抜きにして良い脚色になっていると思う。原作の説明的な部分(幽霊の死因等)がバッサリと省略されており、逆に付け加えられた部分(ベランダの場面全て)は映画らしい空間的な広がりを室内劇に与えている。[投票(1)]
★4希望の街(1991/米)ロバート・リチャードソンの良さが全部出ている。群像劇として、1ショット内で人物が移動するとそれを追い、通りがかった別の人物へとスイッチしていくカメラワークが長回しを長回しと感じさせないスムーズさ。逆に切り返すべきタイミングではちゃんと切り返すのが気持ち良いし、役者のディレクションも的確。トレードマークたる、夜間での直上からの強烈な光も良い。[投票]
★4牛首村(2022/日)前作に続き清水崇の復活が本当に嬉しい。前半の恐怖演出は秀逸(siriの不気味さ!)で昼間の怪異が多いことにも快調ぶりが伺えるし、落下演出で統一するのもいい。ホームでの長回しも何も起きないずらし方が逆に現場レベルの判断で急遽チャンスを逃さず撮影したのだろうと思わせ、悪くない。確かにあの雨と風と雷鳴は撮りたくなる。 [review][投票]
★3グレイマン(2022/米)アクション場面の映像化としては満足だが原作にはない過去の話が全く無駄に思える。ただ上映時間を長くしているだけでは。原作ファンとしてはジェラルド・バトラーのイメージだったが、ゴズリングも悪くはない。ただ、満身創痍感は薄れている。アナ・デ・アルマスの描写を増やしているのは功罪半ば。[投票]
★4恋は光(2022/日)我々が観たかった西野七瀬はこういうのなんだよ、とアイドル時代のファンとしては喝采を送りたくなる。馬場や平と合わせて30着ほど劇中で着替えてくれるのも目の保養。勿論、奥へのピント送りをするかしないかやわざわざ七瀬のうなじを映す画があったり、要所の演出も押さえていると思う。[投票]
★4悪魔のいけにえ ーレザーフェイス・リターンズー(2022/米)実質73分だし酷い出来ではないっすよ。特に後半部分での、個々の殺人演出の陰惨さでは結構好みだったりもするが、ここまで「ハロウィン」を模してしまうとTexas chainsawシリーズとしての矜持は無いんかい、と思ってしまう(バスの大量虐殺は◎)。3.5 [review][投票]