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水那岐さんのコメント: 点数順

★3審判(1963/独=仏=伊)仕事場は『未来世紀ブラジル』でテリー・ギリアムがオマージュこいているな。ただしこの映画はスタイリッシュではなく、何処かホコリっぽい。そのせいかジャンヌ・モロー他の名女優たちも、古物商の奥にある人形さながらにアンティークな雰囲気が漂うのが不思議。[投票]
★3エノケンの江戸っ子三太(1936/日)物語としては小ぢんまりとまとまり過ぎ、破天荒な楽しさがなかったのは惜しまれるところ。 [review][投票]
★3劇場版 新暗行御史(2004/日=韓国)一応、水準作。だが、この作品にはもっとリアルで華のある絵のこなせるアニメーターが必要だったろう。中途半端に漫画的な絵はキャラクターの色気を欠く。話は原作エピソードのつまみ食いだが、丁寧にカバーされている。[投票]
★3悪名桜(1966/日)相も変らぬ勝+田宮コンビの人情と喧嘩殺法の冴え。ドラムやピアノでチンピラを料理する田宮の軽快さ。物語のほうは、親子の絆を主眼においてちょっと泣かせ、「朝吉の子供」騒動でくすぐってみせる。[投票]
★3悪名一代(1967/日)自分のような男にくる嫁に浮き足立ってしまう、そして朝吉に背いても憎い男のため刃物を抜いてしまう清次の青臭さが可愛い。そして情の深さで可愛く見えてくる森光子のみならず、美人でなくとも華のある女優陣の素晴らしさ。[投票]
★3ろくでなし稼業(1961/日)気障だが三枚目の宍戸錠のスタイルはすでに確立していたが、クールなダンディ「ではない」二谷英明もなかなか笑わせてくれる。ドラマが一貫して明朗であるのはいかにも宍戸の出世作らしく、「ろくでなし」だが「人でなし」には堕ちない愛すべきキャラクターを演じきる。塩ラーメンを食べたマダムとのキスを「しょっぺえや」と評するなど小ネタも満載。[投票]
★3素っ飛び小僧(1960/日)よくある日活アクションのひとつに過ぎない平凡な一作だが、先走りする和田浩治を見守り、彼が殺人だけは犯さないようにとつねに見守る葉山良二の暖かさが、他の作品との差別化に一役買っている。[投票]
★3二人が喋ってる。(1997/日)この喋りが、もうフィルムに焼きついたものしか残っていないのだと考えると、劇中の二人のミュージカル・シーンも何か哀調を帯びたもののように感じてしまう。ただ、漫才師がいつまでも続くとは限らない、という簡単なことなのだけれど。[投票]
★3マゴニア(2001/オランダ)苦い夢の残滓。父が子へ語り継ぐ物語は、いつしか現実と渾然一体となり、見分けがつかなくなる。父は、ほんとうに希望の海へ船出していたのか? [review][投票]
★3清風明月(2003/韓国)鎧のデザインとか、銀髪のロングヘアとか、ヴィジュアル的には心躍る要素があるのだけれど、チョ・ジェヒョンチェ・ミンスが完全に二人の世界に入り込んでいるのが気になる。問題は友情を貫くことより、結果をどう導くのかということだろうに。 [review][投票]
★3コンスタンティン(2005/米)セコい聖書からの借り物映画の両横綱。東の『デビルマン』、西の『コンスタンティン』。サタンやガブリエルの行動の幼稚さは、日本のTVゲームからインスパイアされたものか。今のハリウッド技術ならではのCGだけは見事。「悪魔なんてワカんない」という不勉強な大人はゲーム少年に教えてもらいなさい。[投票]
★3地雷を踏んだらサヨウナラ(1999/日)無邪気な笑顔がいとおしい疫病神。彼の周囲には常に死が纏わりつき、隣人は子供に到るまでそのカメラの餌食になる。平和な美術館でモナ・リザを観るよりも、戦場の核にあるアンコール・ワットはどれだけ魅惑的に映ることだろう。それを追う破滅的なカメラマン役は、浅野忠信としてはベスト・ワーク。[投票]
★3孤児ダビド物語(1935/米)長大な物語を2時間ちょっとにまとめるのにはかなり無理があったようだ。映画にするなら少年時代、青年時代と別作品にすべきだったろう。一つにしたために、少年時代には思いもよらぬ「恋愛」がひとを傷つけることになったのだから。 [review][投票]
★3もも子、かえるの歌がきこえるよ。(2003/日)これはアニメーションというメディアを便利に使っている、という印象。もも子が愛らしく見えるのは万人受けする「絵」に描かれたキャラクターであるからで、実際にこの年齢の障害児を実写で見せたなら観客の大半は竜二に感情移入するのではないか。そういう意味ではアニメのあるべき姿のひとつではあるが、割り切れない感情は残る。[投票]
★3眺めのいい部屋(1986/英)直感的な恋を世間体やら近所の噂を恐れて遠ざけ、誰にも嘘をついて封印しようとするために傷つけられる多くの隣人たち。ヘレナ・ボナム・カーターはここでは全くのイタいエゴイスト。一番可哀想なのはダニエル・デイ・ルイスあたりか。[投票]
★3あした元気にな〜れ! 半分のさつまいも(2005/日)いわゆる焼跡・闇市世代の少年・少女期の物語としては、『はだしのゲン』に二歩も三歩も譲るものだが、子供に前大戦について語るきっかけとしては及第点であろう。前作のジブリ的タッチに較べ、湖川作監のしっかりした骨格の絵は表情をナチュラルに見せてくれるが、その下の原画スタッフの力不足が目立つのが残念。上戸彩は「想像したよりは」立派に声優を務めていた。[投票]
★3失われた地平線(1973/英)理想郷がアジアと見せかけてヨーロッパ起源のものであるなど、所詮は外見のみのオリエンタリズム、真理は西洋にありとする思想が時代遅れ。バート・バカラックの音楽は懐かしいが、それ以上のものではない。[投票]
★3ズンドコズンドコ全員集合!!(1970/日)この頃の松竹ドリフ映画は、東宝と同じくペーソスなしの完全ギャグ路線。いかりやも絵に描いたようなイヤな奴であり、人情路線の好きな自分には可もなく不可もなし。荒井注の「文句あるか」「何見てんだよ」だけが懐かしい。むしろ、ドリフよりは宍戸錠の骸吉演技のほうが自分的にはウケた。[投票]
★3雨の中に消えて(1963/日)石坂洋次郎作品では、キャラクターはいつもセックスについては頭でっかちだが行動はオクテの態度をとってしまう。吉永も例にもれずそのキャラだが、いささか可愛らしすぎてカマトトに見えてしまう。この映画では比較される立場にある笹森十朱も、彼女の反面的分身であるところに存在の弱さがある。[投票]
★3ろくでなし(1960/日)太陽族もどきの青年、津川雅彦の虚無的で気障な青春。それに惹かれてゆく女も、ともに享楽に耽っていた愚連隊も、いや、登場人物の全てが皮肉屋であるという自己愛宇宙。これに感じた苛立たしさは尋常ではないが、最後だけは格好良く締められたようだ。十年後に映画界を占拠する不潔な青春は、少なくともここにはない。[投票]