★4 | 長門裕之の顔パーツはその中心に吸い寄せられるように配置され、自らが自らに陥没する勢いがある。渡辺美佐子はこれを嫌がり、顔を見るとつらいという。長門が事件を放り出し美佐子の尻を追うと伊藤孝雄が勝手にやってくる。陥没が陥没を引き寄せるように。 [review] (disjunctive) | [投票(1)] |
★4 | 当時の日活としては異色なサスペンスの秀作。偏執狂的な刑事を演じる長門裕之も良いが、父親思いのけな気な娘中原早苗や、人生に疲れきったような長門の恋人渡辺美佐子、ややボケが入った孤独な婆さん北林谷栄まで、脇が皆素晴らしい。 [review] (太陽と戦慄) | [投票(1)] |
★3 | 狩りがモチーフなのか巻頭の鏑木創の鬼気迫る楽曲に度肝を抜かれる。映画の文法を崩さないカチッとした松尾昭典の語り口に長門裕之、大坂志郎、小沢栄太郎らの"役者力”が呼応する。本格サスペンスの「本格」とは手堅さのことだという実証。 [review] (ぽんしゅう) | [投票] |
★4 | 時効という制度の必然を極論でもって納得させる凄味。日活モノクロ撮影は頂点を極めており、クライマックスの町屋駅ロケのシュールな求心力たるや箆棒なものだ。 [review] (寒山拾得) | [投票] |