★4 | 極道黒社会 RAINY DOG(1997/日) | 降りしきる雨が印象的な台北ロケ。ゲリラ的に撮ったとは思えないほどリリシズムに溢れ、尚且つ土着的感性にも優れている。この監督作の中では極めて渋めな作りで、主人公も北野作品を思わせる無口っぷりがストレートに虚無・彷徨を伝えてくるアウトローだ。展開に高揚は無い。でも本作の肝は主人公にとっての、まさに“雨の慕情”だね。 | [投票(1)] |
★3 | BLUES HARP(1998/日) | 主人公二人の愛とも友情とも違う微妙な関係を、あからさまに訴えかけるんじゃなく、ある程度こっちの想像に委ねてくる演出は結構新鮮。田辺・池内が上昇志向のヤクザとミュージシャン志望のハーフというタイプの違う両者を好演してるが、話的に面白みは感じない。ただ二人には好感持てたし、故郷=天国のイメージショットは良かった。 | [投票(1)] |
★2 | 漂流街 THE HAZARD CITY(2000/日) | ポンカレーの看板と果てしない荒野が既に無国籍なヘンテコ埼玉な出だしには、ガンガンのロックとヘリの襲撃という洋画の雰囲気も相まってかなり期待させたが・・・。それ以降はどうも盛り上がらない。主役2人の漂流ぶりがホントにもうフワフワし過ぎちゃって。脇役陣がなんとかフォローしようとも、納得しかねるラストで木っ端微塵。 | [投票(1)] |
★2 | 爆裂都市 Burst City(1982/日) | 序盤は「マッドマックス2」ぽくて期待させ、ガッチャガチャのカメラワークと訳わからん狂騒に半ば強引に巻き込むパワーを感じた。近未来設定ながら80年丸出しのセリフも微笑ましいところだが、ある程度進みこのまま何の変化もなくラストまで行くんだろうなと悟った後半には船頭さんがやって来て舟こぎましょうかと。ちと長かった。 | [投票(1)] |
★4 | マークスの山(1995/日) | 作品全体を覆うドンヨリとした殺伐感、何か人間の心の奥底にある澱みみたいなものにドップリ浸かってしまった。南アルプスをダブルミーニング的に“マークスの山”として描き、双方の業を背負ったアルピニスト達が時を隔てて登頂する。哀しくもどこか安堵感漂うラストの余韻もいい。漠然とだが、原作未読で正解だったような気がした。 | [投票(1)] |
★3 | 新宿黒社会(1995/日) | 作品上、台湾ロケのむさくるしさと歌舞伎町のヒンヤリとした猥雑さの対比が、フィルムの色使いを含め功を奏している。田口トモロヲ筆頭に登場人物達も一癖ある奴ばかりで個々の場面においては面白い。だが、ここぞのパワー不足感と主役である中国残留孤児二世兄弟の確執・一応の決着を、サラっと安易に流しすぎて今一余韻に浸れない。 | [投票(1)] |
★3 | 夜叉(1985/日) | 中盤までは結構いい。北陸の雪降る漁村という旅情溢れる舞台・健さん中心とした漁師仲間と一軒の小料理屋、そして闖入者ビートたけしの暴れっぷりの組み合わせ等なかなか快調に進むが、後半に突入し物語の焦点がややブレ出したかなと思ってたら、健さんの心も説得力無くブレ出してしまった。中出ししちゃうし。ホントもう健さんたらっ! | [投票(1)] |
★5 | 竜二(1983/日) | セミ・ドキュメンタリータッチで正攻法過ぎる位正攻法な作劇だが、元“ホンモノ”が発するオーラを纏った金子正次がやはり強烈な印象を残す。やくざ生活と小市民的生活の狭間で逡巡する竜二が吐く科白、これがすごく共感できる。それはたぶん彼の弱さに。甘ったれかもしれない、でもあのラストシーンには込み上げてくるものがあった。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 仮面ライダー THE FIRST(2005/日) | 最近のライダーは知らないが、スーパー1迄(いや、ゼクロスかな)は相当慣れ親しんだ俺としては、本作は可もなく不可もないと言ったところだ。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 狂った野獣(1976/日) | 一大パフォーマンス空間と化したバス内、川谷座長を中心に個々のネタを披露するがどうにも単発で相互の絡みもイマイチ。バスジャック犯がやられキャラの川谷な時点で笑いの方向なんだろうが、川谷は人質役で狂ってたほうが寧ろ笑えた気がする。「狼たちの午後」+「たけしのお笑いウルトラクイズ」っぽい終盤は結構楽しめたけどね。 | [投票(1)] |
★3 | 真夜中の招待状(1981/日) | 70年代のミステリーに別れを告げ、小林ひとみ、あっいや麻美を主演に据えた80’な新感覚ミステリーという気がしないでもないが、落ち着く所は妙に古臭い。しかも「真夜中の招待状」って全然招待してないんだからタイトルは原作通りの方がしっくりくるよ。ラストに於ける小林麻美の心境の変化もイマイチ納得出来ないな。 | [投票(1)] |
★4 | 暴走パニック 大激突(1976/日) | クライマックスにおけるあまりにも強引な“暴走の連鎖”にはもう笑うっきゃない。日頃の鬱憤を解消すべく?本能の赴くままにここぞとばかりと罵声・車をぶつけ合う一般人達。うわー俺も参加してぇ〜!この、優等生などだーれも出てこない劣等生続出の荒削りな本作、つまらない訳がない。後、H大好き婦人警官のコスプレにも注目。 | [投票(1)] |
★4 | 華麗なる一族(1974/日) | 一気の200分だった。理路整然としたカットの繋ぎが奇跡的なくらい決まってて、これだけドロドロで込み入った政財界におけるパワーゲームが明瞭過ぎるぐらい分かり易い(政界といえば言語明瞭意味不明なんてのもあったね)。本作にとってはこのわかり易さが最大のポイントで、豪華役者陣の演技合戦にも充分目が行き届き、楽しめる。4.5点。 | [投票(1)] |
★4 | ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003/米=独) | これぞまさに真の・・・。(か)んがえさせられる微妙な結末ながら個人的には許容範囲。死刑反対リベラル派である主人公達の(苦)悩がイマイチ伝わらなかったのはサスペンス構築にも気を配ったせいもあるが、見据えるべき(真)理はたった一つな筈。生(半)可な洞察ではゲイルとの距離は一向に硝子を隔てる事になる…。 | [投票(1)] |
★3 | 赤ちゃんよ永遠に(1972/米) | 70年代SFと言えば抑圧された気分の作品が多勢を占めるが、本作も極めつけの一本。国家競争力というものを度外視すれば、日本における産めやつくれやの少子化対策は、本作の触りに照らし合わせると逆行している。果てしなく異常な未来観だし結末も苦いものだが、反面教師として産まない国・日本にDVDで上陸すべき作品かもしれない。 [review] | [投票(1)] |
★3 | 父親たちの星条旗(2006/米) | 戦闘シーンの生々しさは結構なものだし(プライベート・ライアンには及ばないが)、監督は一貫して戦時下の状況を冷静な視線で撮っているのだろうが、だからこそか当たり前の訴えかけにしか感じない。「彼らは(表向きは)国家の為に戦ったが、戦友の為に死んだのだ」と言うフレーズはその最たるもの。今更締めにそう言われても・・・ [review] | [投票(1)] |
★4 | ホテル・ルワンダ(2004/伊=英=南アフリカ) | いきなりだがドン・チードルは顔がいい。多少頼りなさを漂わせながら優男が孤軍奮闘するというのは好み。美人でない奥さん(そこがまたいい)や子供達と別れてまでもホテル・そして居残った人々を守ろうとする姿に泣けた。またその選択に泣き叫ぶ奥さんの気持ちも痛いほど伝わる。民族紛争云々より家族愛・人間愛の灯火を感じた作品。 | [投票(1)] |
★4 | 日本沈没(2006/日) | 73年版や「世界大戦争」のような打ちひしがれる感覚があまり無いが、これはもう時代・世相が違うんだから仕方ない。それよりも本作は日本版「デイ・アフター・トゥモロー」と言った捉え方で観たほうが素直に娯楽大作として楽しめるのでは。恋愛パートがちょっと甘ちゃんで、草粥もまさに深海魚顔だったが、特撮パートは見応え十分だ。 [review] | [投票(1)] |
★4 | イノセント・ブラッド(1992/米) | ホラーとしては恐怖感が足りないものの、それを余裕でカバーする設定の妙・パロディとまではいかない節度のあるユーモア・アクションシーンの切れの良さ・豪華なカメオ出演・手馴れた感じの特殊メイク&ゴアと、楽しめるポイント多し。そして何と言っても主役のA・パリローを凌駕する程の血演ぷりが可笑しいR・ロジアがGood! | [投票(1)] |
★4 | 世界大戦争(1961/日) | 核戦争に至るまでのポリティカルな部分は殆ど描かれず、ミニチュアの戦闘機やら戦車がバンバンやってるだけなんだが、だからこそもう各国トップ達のイカレっぷりと言うか愚かさがストレートに迫ってくる。翻って日本のとある一家族のささやかな生きる希望が美しく、だがそれも叶わぬ惨状が観てて悲しいと言うよりも、なんか淋しかった。 [review] | [投票(1)] |