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エピキュリアンさんのコメント: 投票数順

★5セリ・ノワール(1979/仏)狡猾とバカ、自信過剰と自己嫌悪、上品と下劣、優しさと冷酷、喜劇と悲劇、愛情と憎しみ、幸福と不幸、などなどなど。が、こんなに見事に解け合ってひとつになってる映画が存在するなんて!これは何かに似ているぞ、と思ったら人生だった(苦笑)。幻にして切実な刹那が、さわれるほどリアルにここにある。でも・・ [review][投票]
★3悪徳の栄え(1962/仏=伊)映画の原題は「美徳と悪徳」ですよね。サドの「悪徳の栄え」と「美徳の不幸」の翻案を期待して観ちゃったので、ちょっとがっかり。基本的にはナチ色がメインでした。でも、ディティールはすごく好き。デカダンな城塞や、人の顔、調度など、しっかりと背徳(笑)していて流石ですし、カトリーヌ・ドヌーブの美しさは一見の価値ありかも。[投票]
★3ピガール(1994/仏)パリのアラブ系の危ない感じと、車椅子のボスを初め忘れがたいキャラクターたちが、素晴らしい。とくに、のぞき部屋で働くヒロインの、諦念と希望が入り交じった感じが、哀しくて可笑しくて恐ろしい人生の奈落を垣間見るようで、切なく愛しい。もしかしたらこの街自体が阿片みたいなんじゃないのかな?[投票]
★4ノーマ・ジーンとマリリン(1996/米)愛されないで育ったので、人はもちろん自分を愛する術をしらずに、過剰な愛情をより多くの人から求めて、あまりに多くを求めるあまり、誰にも愛されなくなってしまった。という有名なモンローの心理を、上手に描いていると思った。こういうタイプは誰にも救えないところが怖いし哀しい。 [review][投票]
★4溝の中の月(1982/仏)セットって閉塞感というか、夢幻的というか、独自のトーンがあって好きです。『パリの屋根の下で』も閉塞的な悲喜劇だったけど、それの直系って感じがした。それと港のロケシーンの開放感が、後半の哀愁をさらにコントラスト濃く高めていた感じ。月とN・キンスキー素晴らしい!!!。[投票]
★2ファイナル・デスティネーション(2000/米)アイディアはよかったんだけどねー。って感じでした。前半ぐらいまでは、そのアイディアを絵にしてゆく勢いが面白さを生んでいたけど、だんだん「どこで、どう死ぬか」という今ではギャグの『13日の金曜』状態になってしまって・・・。怖さと笑いの境界って、難しいもんですねー。[投票]
★4タンデム(1987/仏)「ほとんど一般化できないけど、すごい共感がある」テーマ、とでも言えばいいのかな。すばらしい。男について、考え抜いている、とさえ思った。そして救済としての女が出てこないところも、辛口でいい。最近のP・ルコントって、へんに軽いロマンス物ばっかり、と思っていたので感心。でも、いつからこういうテーマを捨てたのだろう・・。[投票]
★3私家版(1996/仏)大好きなT・スタンプですが、この年代の彼なら『プリシラ』や『イギリスから来た男』の方が好き(『コレクター』と『世にも怪奇な物語』が一番好きだけど)。彼の中にあるはずの過去の愛が(たぶん娘のせいで)ぼやけてしまっているのでは?英国人の思い詰めたら冷徹、って感じが、ちょっと戯画化された印象になってしまった。フランス人が作ったからかな?[投票]
★5ドンファン(1995/米)乱暴にいえば、ストーリーなんてどうでもいいんです。『乱暴者』とか『欲望という名の電車』とかのM・ブランドって、いまのJ・デップでしょ(もっとすごいか)?でも、同じように世界の不良と女の子たちにインパクトを与えた希有の存在のふたつの年齢が、ひとつのフィルムのなかに居る。それだけで5点だもんね。[投票]
★5セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997/米)なかなか着かない前半が、チベットの遠さと西洋と東洋の差を、映画的に表していて、すごくよかった。簡単に外部を受け入れない不寛容な宗教的態度と、頭で判っていても自分は変わろうとしない西洋人、という設定も、すごくいい。これはブラピの鈍感さが、とてもよく機能してたと思う。さらにラマ役少年に1点。[投票]
★2キリング・ミー・ソフトリー(2002/英)絵もきれいだしH・グラハムも色っぽいし、猟奇的な匂いもいいんだけど、なんかちぐはぐ。SMはイギリスっぽくないし、登山というのも予定調和だし、心理的な問題も説得力ないし・・。チェン監督は、ハリウッドのプロデューサ達にレイプされちゃったんだろうなー、と思ってしまった。[投票]
★4普通じゃない(1997/米)ベティ・サイズモア』もそうだけど、こういうワザと低温にしたユーモアというかギャグって、ひとつのジャンルとしてあるのかな?あったら誰か教えてください。けっこう好きな温度なのですが、でも、よくこう言うのにお金を出す人がいるなー、と感心。映画の豊穣さの、一例だと思います。[投票]
★4無伴奏「シャコンヌ」(1994/仏)後半、まるでバッハのこの曲へのプロモーション・ビデオかと思っていたら、そうか、この曲に捧げた人生であり、映画なのね。はっきりって「シャコンヌ」一曲の大きさのほうが映画よりでかい(あたりまえか?)。音楽以外では、パリの地下鉄駅をよく捉えているところが個人的にはジンときました。[投票]
★4耳に残るは君の歌声(2000/英=仏)言いたいこと、見せたいものが、たくさんあったのね(笑)。個人的には、ジプシーの溜まり場で、順繰りに歌を歌うシーンかな。インドから中近東、そこからスペインにまで行ってフラメンコにもなるラテン音楽の、哀愁の神髄のようなシーンで、泣きそうになりました。別の場所で、リッチに『暗い日曜日』まで歌わせていて音楽への痛みと愛に溢れていた。そして、J・デップの眼差し![投票]
★315ミニッツ(2001/米)TVの深夜枠とかで、偶然やっていたら、それなりに面白く観て、ゆっくり眠れそうな一編ですね。でも、映画館でみたら、このままじゃ帰れない!なんかもう一本みよう、って感じになっちゃいそう。ここ5〜6年のデ・ニーロって、なんだか作品全体をゆがめている気がする。どの映画にも主人公の自室に似たような酒場があるし・・・。映画を私物化している感じ。しかも、 [review][投票]
★3ポワゾン(2001/米=仏)彼女の唇が、象徴であり、暗示であり、イコンであって、前編を貫いているわけね。下唇がふたつに割れているのが、なかなかいいと思いました。だから、わたしは、ラストの数分がなければ間違いなく2点でしたね。あんな淫蕩な唇イコン使っておきながらまさか・・と思ったら、やっぱりね(笑)。そうこなくっちゃ、って感じでした。[投票]
★4小説家を見つけたら(2000/英=米)ほとんど表情を変えないロブ・ブラウンの演技と、それを最後の朗読会で逆手にとる抑制の利いた演出が、冴えてますねー。ショーン・コネリーの加齢臭がしそうなリアリティと偉大な存在感を両立させた演技が、凄い。いい物語といい役者がそろえば、っていう好例かな。でも、NYだからJazzって当たり前すぎない?[投票]
★5セレブリティ(1998/米)自分のパロディを自分の作品で演出するユーモアに脱帽。これ『アニーホール』のバリエーションにちがいない(TVプロデューサーに女を盗られるし)。シェークスピア俳優のケネス・ブラナーのアレンには笑いぱなしでした。撮影現場も笑いでNGが続出だったのでは?しかし、今でいうAC男ですな、アレンは。[投票]
★4Dr.Tと女たち(2000/独=米)男が女に優しくする、という一見理想的な状態を突き進めると、どうなるか。という思考実験みたいなストーリーが面白い。女性たちは、男性の気に入る自分になろうとすると自分を見失うことをとっくに知ってるけど、男性はまだそこまで突き詰めてなかったもんね。トムクルーズがやっても面白かったかも。[投票]
★3誰かに見られてる(1987/米)ブレードランナー』で受けたスモークと動く影のルックでニューヨークを撮って、『エイリアン』で評価された爆発する女の底力を絡めつつ、大人のラブストーリーを仕上がれば受けるのでは?という企画だったに違いない。リドリーは偏屈なので、弟のトニーほど職人にはなれないのね。グラディエーターまで ながい冬がつづいたのも、分かる。[投票]