またまた逆戻し。しかも揺れまくるカメラと、動悸を高める音楽が神経を逆撫でする。

「時がすべてを破壊する」が、時間の逆行とともに鮮烈に浮かび上がってくる。終盤の二人のラブシーンがなんともせつない。

しかし、暴力描写にあそこまでの必然性があったのか甚だ疑問。容赦ないように見えて、かたやモニカ・ベルッチのお顔は、血まみれでも形は整っていたのがとっても不公平。

ゲイクラブの、めちゃアンダーグラウンドぶりはかなり恐ろしかったが、ホモやゲイへの偏見が助長されやしまいかという心配もある。

かなり昔、イブ・モンタンとキャサリン・ロスで、ゆきずりの暴力で突然奈落の底に突き落とされる不条理を描いたやつを思い出した。あれは、見てるこっちもいきなり放り出されて呆然自失だったが、この逆戻しは謎解きしながらも前後（後前か）の対比を深く味わえる。

そう考えると、流行りの逆戻しとはいえ、この場合は必然なのかも。しかし、ラストのてんかん起こし光線は反則だった・・。

こんなヤバイ映画に、女性の観客の方が多かった！レディース・デイだったらしいが、どう受け止めたのだろうか。