[コメント] 12人の優しい日本人(1991/日)
殺人事件の判決を下す12人の陪審員のドタバタ。芝居要素が大きすぎてのめりこめなかった。
この作品を見て、元ネタの『十二人の怒れる男』も見てみた。
二つの差は、やはり、「芝居」と「映画」との差のように思えた。 「優しい〜」の方は、最初から最後まで通しで芝居をしている所を何回も撮影していたということで、 芝居の映像化という印象が強く、映像としての魅力に乏しい。
かたや「怒れる〜」の方には、同じ室内劇ながら映像に迫力がある。 話も映画的で、12人の陪審員の心の動きがストレートで、「優しい〜」のように 意見がコロコロと変化したりもせず、クライマックスまでにその変化に興味がつきない。
一番の差は、「怒れる〜」には、「正義とは何か」というテーマがあるが、「優しい〜」には、「会話と人間の心のあやふやさを楽しむ」という目的しか無い、という点にあるだろう。 三谷幸喜の脚本の特徴なのだろうが、『ラジオの時間』や、テレビの「やっぱり猫が好き」が好きな人には たまらない映画だと思うので、そちらが好きな人には楽しめるはず。
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