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[コメント] ローヤル・フラッシュ(1975/英)

女だけにはめっぽう強いが剣はそこそこの似非紳士。信じられない強運と偶然の連続に流れ流される冒険譚。キャプテン・ハリー・フラッシュマンは巨根の『フォレスト・ガンプ』です。首を伸ばして胸を張った彼の立ち姿が、原書の挿絵に生き写しで感激しました。
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原作の小説「フラッシュマン・ペーパー」シリーズに興味があったので、この作品の存在を知ってからどうしても見たい見たいと思ってきたのですが、ソフトにめぐり会うことができず、永いこと悶々としておりました。そこでシネスケの皆様にご相談させていただいたところ、たくさんの方から情報やご助言をいただき、おかげ様で念願かなってやっとソフトに辿り着き、見ることができました。この場を借りて、ご協力いただいた皆々様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

やっと見ることができたこの作品は、小説「フラッシュマン・ペーパー」のシリーズ第1巻の映画化だろうとずっと思ってきたのですが、私の思い込みに反し、お話はその後の巻からのものでした。冒頭の演説のシーンは、ただの女好き酔っ払い学生だったフラッシュマンが、数奇な偶然のいたずらによって英雄にまつり上げられてしまう第1巻の後、母校の学生にインチキ演説をもっともらしくブッてる場面だと思います。運命の女神を自慢の手管(と巨根。きゃー。)で虜にしてしまったとしか思えない強運が、彼の面白いところなので、その辺の説明が薄いのはコメディとして少々惜しいところではあります。でもとにかく何事も自分の意思で決めたりは絶対しない流され型紳士の主人公を、原作よりも更に情けない男に仕立ててあるのが楽しく得した気分で、にやにやしながら鑑賞しました。

原作を読んでいていまひとつ掴めていなかった部分が、くっきりと目に見える形になってきたことが、今はとても嬉しいです。マルコム・マクダウェルのフラッシュマンは原作の挿絵にそっくりで、今後は彼のイメージで更に楽しく読んでいけると思います。原作者のジョージ・マクドナルド・フレイザー氏(車椅子のおじいさん、健在です。)も喜んでおられたそうです。

個人的思い入れで5点にしたいところではありますが、軽いノリが身上のこんな作品に満点はかえって失礼かもしれない気がしますし、客観的採点を目指さねばというポーズ(ポーズです。ポーズ。)から自制したらこの点数になりました。

(評価:★4)

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