[コメント] エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア(1994/米)
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一作目に登場したキャストやスタッフが多数、しかも本人役で出演し、しかもどこまでが現実でどこまでが虚構なのか、と言うメタフィクション要素満載で贈る、シリーズ(一応の)最終作。一応原題は『New Nightmare Wes Craven's New Nightmare』となっており、『エルム街』とは全く書いてないので、本当の番外編。
『エルム街の悪夢』シリーズは“夢と現実”のせめぎ合いが楽しいのだが、ここではそれは“映画内と映画外”に置き換えられている。この発想の転換は見事だ。映画とは虚構。だから中では何でも可能だ。まさにこれは夢そのものじゃないか。しかもここでは更に一歩進み、“現実の自分、演技をしてる自分、夢の中の自分”というのが虚々実々に複雑に絡み合い、それがランゲンカンプ、イングランドの二人に襲いかかってくる。この二人は現実における友達であり、演技上の仲間であると同時に、夢の中では仇同士となっていく。密接に関係が深まれば深まるほど、その境界線は曖昧となっていく…
本作において、第1作目の『エルム街の悪夢』はナンシーとフレディの愛情物語へと転換していた。一作目そのものを書き換えてしまうと言う、もの凄い試みだったのだ。確かにこいつは凄い。
本当に感心する設定の上に、ウェス=クレイヴンが又良い味出してるんだ。よくこんなもの考えてくれた!演出だけでなく、役者としてもちゃんと演技できてる。 役者が本人役で出演してるのも芸が細かいところ。ところでデップは出てなかった?この人出たらすげえ喜んだんだが。
私に言わせれば、この最終作、傑作であった1作目以上に出来が良い!(1作目なしでは成立しなかった作品でもあるが)。これを日本では劇場未公開にしてしまうとは、本当に勿体ない。
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