アクションもアイデアもこれといった見所なく、またしても消化試合の色濃い作品である。一体「アルコール先生」というコンセプトは何であろう。日本の配給会社の悪フザケが過ぎたものだろうか。すべてにおいてパッケージ感覚が地に落ちている徹底的な駄作路線に乗っかったお蔵入りにすべき一作。チャップリンもまだまだ若く動けるだろうに、体を張って働かなアカン！と、親父の小言でも言いたくなるくらいに動かないチャップリンである。どうやらこのシリーズでは脚本のクレジットがないようなので、完全に捨て映画であったのかもしれない。セネット政権下、体力を温存する上では力の抜きどころを心得ていなければならなっかたのもなんとなく想像できるのでやむなしか。キャリア形成期の習作シリーズとして惹いて見る。