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[コメント] ウェイキング・ライフ(2001/米)

この映画にこの点数をつけるのは怖いし、バカにされそうだが正直、全く眠くなかったし、楽しめた。 2003年3月29日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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前々から少し気になっていた本作。予告編を見て、そのトリップ感覚とでも言うような映像と、なにやら哲学をしているような台詞回しに魅力を感じて、劇場まで足を運んだ。

映像は確かに凄い。『老人と海』では油絵でアニメーションをやっていたが、こちらは実写をコンピューターに取り込んでのペイント。しかし、画面に映っていたのは、とても不思議な世界。ぐるぐる回り、うねり、新鮮な感覚を味わえる。音楽も、映像にあっており、映画の世界に引き込まれる。

ひたすら夢の世界で、主人公は数々の登場人物に出会い、その登場人物は延々と喋り続ける。はっきり言って面白くは無い。ひたすら人間がだらだらと喋る姿を見せられても楽しくない訳で、そこにエンターテイメントを感じる事など出来るわけがない。映像世界に酔いしれ、その背景に流れる音楽により、さらに映像の世界に引き込まれトリップ感覚を味わう事は出来るかもしれない。夢と現実の区別がつかない主人公と同じように、ぐるぐると回り続ける世界を疑似体験する事ができるだろう。だけど、面白くは無い。だって、ただこの映画は登場人物が延々と喋っているだけなのだから。

だけど、退屈じゃない。この映画を「娯楽」として捉えて「面白い」とは思わないが、一本の映画として捉えると面白いと思える。人が延々と喋り続けているのだが、その喋り方も、どこかリズムに乗っていて軽快で楽しい。そして、喋っている内容は、頭の悪い自分にはイマイチ理解できないのだが、そんなことおかまいなしに、ぼけーっと映像に酔いしれていれば、それで十分1時間40分を楽しめた。

劇場でいびきが聞こえたが、確かに見る人によっては眠くなる映画だろう。小難しい事をごちゃごちゃ論じて、夢だとか現実だとか愛だとか、延々と哲学している。延々と他人の独り言を聞かされる。

だけど、登場人物と一緒に夢と現実をさ迷えた自分は、この映画にすっかり魅せられてしまった一人だろう。登場人物が延々と喋っている声すらも、途中から映画のBGMに聞こえてきて、心地よいトリップ感覚を味わえた気がする。見てよかったと心から思う。

別に上映時間が長いとも思わなかったし、中だるみも感じなかった。純粋に映像に酔いしれているだけで1時間40分間、この映画のお陰で夢と現実をさ迷えたのだから。ただ、内容については、ホント、さっぱり理解できなかったが(苦笑)

で、結論だが、主人公は、やはり死んでいたんじゃないかと思う。結局死んでいた。で、見ているのは死の瞬間の走馬灯でも、ましてや、幻想でもなく、夢と現実の境界を見つける事ができず、覚醒する事を模索している事こそが、死の世界じゃないかと、自分は思った。そして、出会う人々に小難しい事を延々と語られ、ただ「聞くだけ」の主人公(=観客)。その登場人物は、皆彼に何かを伝えようとしているんだろう。だけど、難しくてわかんねぇよ!あーあ、やっぱ勉強不足・・・

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)水牛太郎 MM[*]

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