[コメント] 麻雀放浪記(1984/日)
明日は晴れか?
舞台は戦後間もない日本である。通称「坊や哲」という、そこそこの身なりながらも賭事で生計を立てようとしている若者が主人公で、その「坊や哲」が「ドサ健」などのまさに「博打打ち」的人との出会いが描かれている。
この作品(原作も含め)の素晴らしい点は、まだ常識的な部分を持ち合わせて生きている「坊や哲」が、獲物を狩る狼のように、狡猾でしぶとい博打打ちに変化していく様である。今現在もパチンコ、競馬といったギャンブルが人気で、それにより小遣い程度は稼ぎ出すといっては偉ぶった感のある人々を見る。そういう生ぬるさを根底からひっくり返す食うか食われるかの緊迫した博徒的世界観と、戦後の貧困下にあっても強く生きている人々の描写は、一見の価値がある。
麻雀を知らなくても、博打に興味がなくとも、楽しめること請け合いである。見た次の日からはついつい「明日は晴れか」などと口走ってしまうだろう。
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