「これが新撰組だ」とつぶやく登場シーンで何かいわくあり気なのを感じさせるが、いったんは逃げ出したものの開き直ってかえって認められるという入隊の経緯はどう見たらいいのだろうか。終盤明かされる仇討ちのための行動だという点から振り返ると不自然な気がする。

新撰組に内通者がいるというあたりで話が繋がるのかと思ったら意外な方向に転がりだす。あれやこれやあって女に結婚を迫られ「目的成就の暁には」と約束するところで、冒頭示唆された主人公の行動の裏にあるものを再び思い出すわけだが、真相が分かってみれば女にかかずらう暇はないというシチュエーションなんだ。