[コメント] 魔女の宅急便(1989/日)
宮崎駿って人は、職業意識や自立心というものによくよく強い思い入れを持っているんだなぁ。
本作から約10年経って作られた『千と千尋の神隠し』では、過保護に育てられて自立心の備わっていない現代日本の子供たち、そしてそのような教育しかしてこなかった大人たちに対する宮崎の憤りみたいなものが何となく感じられるんだけど、本作にはそういう説教臭さがなく好感が持てる。この時点での宮崎には、啓蒙の意識はあったにせよ、憤まん(或いは驕り?)のようなものは生まれていなかったのではないだろうか。あくまで自発的に(その自発性は「魔女の家に生まれたから」という妄信的な理由によるものではあるが)、健気にがんばる主人公の姿には純粋に応援したい気持ちが沸いてくる。
そして本作には、パン屋のおばさんはじめ、がんばっている主人公を見守るあったかい心を持った人たちがたくさん出てくる。観ている側としては、主人公に向けた応援の気持ちをその登場人物たちに重ね合わせることができるので、大人になっても楽しく観られる作品になってると思う。
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