[コメント] 東京ゴッドファーザーズ(2003/日)
ああ、ベツレヘムよ。
生まれたばかりのイエス・キリストを、両親以外で最初に見たのは、当時の社会で最下層に属していたとされる羊飼いたちだった。「あなたがたは、ベツレヘムの馬小屋で、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。それがあなたがたの救い主である」という天使のお告げを真に受けて、彼らはベツレヘムの町にやってきたのだ。
マライア・キャリーや山下達郎などのクリスマスソングが流れ、町のイルミネーションもひときわ華やかな東京のクリスマス。そんな街の片隅に本来のクリスマスの姿を再現してみたという、ちょっと演劇にうるさい神父や牧師がひとひねり加えた教会のクリスマス劇と思えば納得な感じ。監督は「希望」の物語を描きたかった、というよりは、それを通して、大通りから一歩入った路地裏の暗がりの叙情感を描いてみたかったのだろう。
放浪の音楽芸人というイメージがこの作品にドンピシャなムーンライダーズ。ホームレスの身なりでエンディングを放歌している彼らの姿が目に浮かぶ。
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