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[コメント] DEAD OR ALIVE FINAL(2001/日)

「ふざけんな!」あるいは、「ふざけるんだったら本気でふざけろ!」(02.04.18@テアトル梅田)
movableinferno

三池擁護派のわたしもこの映画だけは勘弁なりません。

1作目はすばらしかった。ラストばかりが取り沙汰されるが、あの映画はドラマ部分もすこぶるおもしろかった。男と男の宿命的な対決を、娯楽映画の肝をおさえたドラマづくりとスターの輝きでしっかりと魅せてくれた。そして賛否の分かれるラスト。わたしは日本映画界への胸のすくような啖呵、あるいは「アッカンベー」「おしりペンペン」と受け取った。だからこそ、その心意気を★5で賛えたのだ。

2作目も好かった。Vシネマがらみの作品としては典型的な筋立てだった1作目から一転、肩の力の抜けた寓話はお馴染みのふたりのコンビネーションにお遊びやハッタリも楽しく、「シリーズ2作目」としてとてもよくできていた。

評価の高くない『漂流街』だってわたしは大好きだ。無国籍風のイイカゲンさはダイナミズムとして昇華していたし、なによりあの映画には血が通っていた。血文字の「LOVE」だってわたしは大真面目に受け止めたのだ。

なのに、この映画ときたら。同じ人間が作ったものとは到底思えない。

小細工にばかり趣向を凝らした末に、あろうことか肝心要の映像の質を損ねて、そういうものを自己満足と言うのではないのか?くそつまらないドラマに突飛なラストを接いだだけの、あんな代物でいったい誰を喜ばせようと言うのか?ラストの驚きも1作目とは比べようもない。予想できなかったことは認めるが、予想できなかったからどうだと言うのだ。観ている者の心を動かさない「衝撃のラスト」などになんの意味があるのだ!びっくり箱じゃねえんだよ。口をついて出たのは失笑とため息ばかり。これが「ファイナル」だなんて冗談もたいがいにしてほしい。

本気出してないとしか思えない。だって1作目も2作目もあんなに面白かったんだから。そりゃあ何本も映画を作っていれば失敗作だってできるだろうが、これはあんまりひどすぎる。金取って観せるもんじゃないよ。

(評価:★1)

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