だからといって、変態オヤジの誇大妄想が評価できるかどうか、というのはまた別の話。

ファンタジーとしては秀逸。それこそ★5。ただし……R-15に相当するような倒錯が含まれていることを、主体客体両面から認識できる観客の観賞においてなら、という但書きつきで。

たとえば二人が入れ代わった後、何度も一美（小林聡美）のヌードが出てくるのはある種の演出上の必然でもあるし、おかしなPC的配慮でそういったシーンを排除してしまえば、それこそ“イヤラシイ”。

ところが、さすがの大林カントク。小林聡美に何度も執拗に乳首をつまませる……もし、中学生の男の子の魂（？）が、女の子の体に入り込んでしまったとして、そこまでのことをするだろうか。

私にはとてもそう思えない。だから、演出上の必然や表現を超え、自分の肥大した妄想をティーンエイジャーに投射する行為は倒錯性欲にしか見えなかった。

そんな演出に体当たりで応えた小林聡美に敬意を表して★5をつけたいところだけれど、これからも何かを勘違いした大人たちが、自分の子たちにも嬉々として本作を見せてしまいそうだと思えば★1以外をつける余地は無い。