冒頭からすでにハッピーエンドにはなりそうもない空気が漂っていて。けっきょくその通りになってしまったけれども、優しさにあふれた清々しい余韻。彼らが出会い、共に暮らしたことはけっして失敗ではなかった。

ツネオの優しさ、陽気さは、閉ざされたジョゼの心を開き、外の世界の楽しさを教え勇気を与えた。

ジョゼの秘めた強さに触れることで、ツネオは優しさだけでは解決できないことが世の中にあること、自分の未熟さを知った。

身障者を扱うことで映画的・寓話的に彩られてはいるけれども、普遍的な「成就しなかった恋」への甘酸っぱい郷愁を心地よく刺激してくれる、とても気持ちの良い映画でした。

カナエちゃんがジョゼを二発ビンタするシーン。ジョゼにもちゃんと一発殴らせて、しかも殴らせたことはツネオに告げないってとこがいいな〜