[コメント] A2(2001/日)
広く世間の人々に観られるべきは、前作『「A」』よりもむしろこちらのほうかも知れない。[新百合トウェンティワンホール]
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前作と比べて、より「作家・森達也」の視点が強く出ているように感じる。
信者と地元住民が和気あいあいと語らう群馬県藤岡市の施設。そのすぐ後に、「いつもの調子」で住民たちがオウム排斥を唱える、千葉県松戸市の様子が映る。そもそもこれまで見ることのなかった藤岡の映像も衝撃的だが、それを松戸の映像とモンタージュしたところが痛烈な対比になっている。
右翼のオッサンたちの姿もそうだが(この人たちって実は結構マトモなこと言ってるじゃん、なんて思ったり)、決してマスコミが取りあげない視点を、落ち穂拾いのようにすくいあげていく森監督の姿勢は貴重だ。
ちなみに上映終了後に監督と安岡卓治プロデューサー、ジャーナリストの吉岡忍氏によるトークがあったが、その席で森監督はこんなことを言っていた。
「この作品を観た人によく『これで真実を知ることができました』なんて言われるんですが、これはあくまで僕の目から見た真実であってね。他の人がキャメラ回していれば全く違ったものになっているだろうし。結局、真実なんて人の数だけあるんですよ。100人いれば100通りの真実が存在するんです」。
いや、それにしても森監督が捉えた「真実」は、やっぱり凄いよ。
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