[コメント] おばあちゃんの家(2002/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
確かにばあちゃんって、しわしわだし、髪も薄いし、腰曲がってるし、時々変な匂い醸し出してるし、センス悪い靴や洋服を買ってきて「嬉しくないプレゼント」をしてくる。
小学生の頃、僕の行動はサンウそのものだった。
大学生の頃、ばあちゃんは月に1回、田舎から僕のマンション宛てに小包を送ってきた。
中身は、僕が子供の頃に好きだったパインの缶詰。毎回、毎回、それが入ってる。
「送料のほうが高いんだから」って言っても送ってくる。
いい加減食べ飽きても、子供の頃と嗜好が変わっても、パインの缶詰送ってくる。
だんだん食べなくなって、台所の下に溜まりだしてもまだ届く。
後半は開封せずに捨ててた。
「パイン、もう要らないから、現金で送ってくれ」って言ったことさえある。
他にも、おかしな趣味のシャツとか、僕が好む銘柄と違う煙草とか、ホント不必要なもん
ばっか送ってくる。
読みづらい字で書かれたばあちゃんの手紙も読まずに捨ててた。中に千円札が2〜3枚入ってる
ときもあるから、封筒は開封するんだけど、手紙は読まないの。
だって、毎回同じような内容なんだもん。
ホント、俺って馬鹿だよなぁ。
そんなばあちゃんが去年死んだんだよ。
これ観て、僕に「泣くな」って言う方が無理だよ。
ばあちゃん、ごめん。僕、サンウ以下だよなぁ。
この映画のラストにさ、「全てのおばあちゃんに捧ぐ」なんてテロップが出てるけど、
あれは違う。『全ての馬鹿孫は今すぐ見ろ!』ってことだ。
まだばあちゃんが存命なら、サンウを見習え。
ばあちゃんは、自分の靴より孫の靴、電池代を捻出するために歩く、いつも孫のことを
一番に考えてる。良かれと思ってやってる。
素直に喜べなかった僕は、最低だよ、ホント。とほほだよ。
サンウに腹が立った人はみんな、多かれ少なかれ自分の婆ちゃんに対してサンウと同じ態度をとった経験がある人なんじゃないかな、とふと思った。加えて、自分の婆ちゃんが大好きな人なんじゃないかな、と更にふと思った。
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