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[コメント] つぐみ(1990/日)

ある意味、時代の産物だったのか?雑念が多すぎて物語が頭に入ってこなかった。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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30数年ぶりの再鑑賞だと思うんですが、全然覚えていなかった。正直言って、20代の私には市川準はレベルが高すぎたんですわ。もしくは本当は観てなかったか。

いずれにせよ、故市川準監督の作品は全部観直したい。これは市川準42歳の頃の作品で、できれば10年前に再鑑賞したかった。市川準と同じ年齢の時に、彼がその年齢で世界をどう見ていたかを知りたかった。あと、願わくば、全作品リマスターしてもらいたい。ちなみにこの神保町シアターで観た上映は、フィルム状態が良好だったとは言い難い。

吉本ばなな原作・市川準監督ということで、その文学的な物語性とか、当時の社会の空気とか、そういうことを語りたかったんですけどね。

全然頭に入ってこなかった。余計な雑念ばっかり浮かんできちゃってさ。

私の記憶以上に中嶋朋子が可愛い!とか、白島靖代は『櫻の園』の前か?後か?とか、 つぐみの父ちゃんクレイジーキャッツだ!とか、この頃、あがた森魚と財津和夫と高橋源一郎はちょいちょい出てたねとか、無名時代の吹越満だ!とか、医者が寅さんのおいちゃんだ!下條アトムのお父ちゃんだ!とか。

ポイントは牧瀬里穂で、前年辺りにCMで注目を集めたのかな?で、この年に本作と『東京上空いらっしゃいませ』で映画デビューをして一躍脚光を浴びたわけです。ま、私は相米慎二嫌いなんで観てないんですが。で、実は私、彼女は(その後)作品に恵まれていない印象があるんです。

ペンクロフ氏がこの映画を「当時誰もが扱いかねた牧瀬里穂の魅力の芯を見事に捉えている」と評していますが、これが一番この映画の芯を捉えた批評だと思うんです。てゆーか、ペンさんこんな映画観てんのかよ。

私、牧瀬里穂は好きでも嫌いでもないし特別な思い入れも何もないんですが、この映画を観ていて「つぐみ」という女の子が魅力的だったんですね。牧瀬里穂が魅力的だったんじゃなくて、その演じているキャラクターが魅力的だった。これが牧瀬里穂の持ち味だったのかなあ?市川準の手腕なのかなあ?32年後の今だったら分かりそうなもんなんだがなあ……。

ただ、市川準が、大林宣彦や岩井俊二みたいなイヤラシイ目線でなく、「女優・牧瀬里穂」の魅力を真剣に捉えようとしていることは、よく分かります。これはそういう映画。そういった意味では時代の産物。

(2022.05.28 神保町シアターにてたぶん再鑑賞)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

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