[コメント] 戦う幌馬車(1967/米)
ジョン・ウェインは本作でも『赤い河』のバックルをしている。やはりニトロ=ダイナマイトだからか。そう云えば、冒頭、保安官補として登場したジーン・エヴァンスが痰壷を持っており、それを見たウェインの意味深な視線の演出がある。私は思わず『リオ・ブラボー』のウェイン登場シーンを想起してしまった。
その他にも随所でハワード・ホークスばりの安定した演出が見られる。タイトルになっているガトリング銃を付けた馬車がキワモノっぽくて損をしているのか、本作の世評は低すぎると云ってもいい。演出はどのシーンも実にきめ細かで、例えば、屋内から窓外に戸外を見せるカットとか、酒場の殴り合いだとか、いい画面造型だと思う。ウィリアム・H・クローシアの美しい画面が映画全体に大きく貢献しているとは云え、バート・ケネディの手腕を誉めるべきだろう。
あと、本作の演出で特記すべきはカーク・ダグラスが馬上の鞍に飛び乗るのを何度も見せる演出だ。ウェインやハワード・キールもこれをやる。どれも足元を隠した画面になっており、小さなトランポリンか、踏み台でも置いていたのだろうと思うが、この演出でアクションのスピード感が増している。エンディングはお約束のようだが、カーク・ダグラスでさえ好感が持てる演出だ。
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