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[コメント] キングの報酬(1986/米)

ストーリーと無関係に80年代の匂いがプンプン感じられるスターキャストのアメリカン政治ムービー。政界裏のドタバタが観客にいまいち伝わりずらいのが残念。男優陣に較べ女優陣は地味めだがビアトリス・ストレートが名演で場をさらってしまう。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







役者には何となく持って生まれたイメージと言うものが付きまとう。ギアの場合は「誠実さ」や「人間ぽさ」を演じてもどうも「軽さ」や「信頼出来ない」雰囲気が付きまとってしまい、恋愛映画や華やかなドラマだと存在が活きるのだがシビアな役柄だとギャップが出てしまう。本作でもフェイクの様な髭が、役柄に不必要の「軽さ」に、なおさら拍車をかけてしまい調子の良いハックマンと対比が必要なのに、どっちも似通って見えてしまい残念。

まだ小手先に走らないストレートな演技を見せるワシントンや、この手の映画に不可欠なウォルシュのサポーティングアクトが散漫になりつつある物語をギリギリ喰いとめる。

女優陣は華やかさが欲しい所だがクリスティキャプショーも共にフェミニンではなく、さっぱりした飾り気の無い雰囲気で印象が似通ってしまう。おかげでラッキーだったのがストレート。もともとオスカー女優で確かな演技力の人なのだが、特に終盤のギアクリスティを目の前に、涙まじりに真実を訴えるシーンは心を打つ。ギアが演技も含め子供に見えてしまう。

アメリカの選挙を熟知していないと気を抜くと混乱してしまい、サスペンスのボルテージも、いまいち盛り上がれなくなる難点はあれど、これだけキャスティングが粒ぞろいで銘々に自己主張してくれると、その点を観ているだけでもラストまで楽しめてしまうのは事実。このダサ〜い邦題は観ようとする意識を削ぐので勘弁して欲しい。

(評価:★3)

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