[コメント] キートンのセブンチャンス(1925/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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女性に対する思いやり。
冒頭、ものすごーくロマンティックでしたよ。ピュアな恋人未満のカップルがいて、内気なジミーは彼女に対して夏が過ぎても、秋が過ぎても冬が過ぎても、想いを打ち明ける事ができませんでした・・・。もう二人が可愛らしいというか、甘酸っぱいというか、ここ見ただけで思わず5点つけそうになっちゃいました。
・・・が・・・。
ジミー、メアリーにプロポーズした時何て言った?
「今日中に結婚すれば遺産が入るから結婚しよう」だぁ!?
緊張していようが時間が無くて慌てていようが、この台詞はショックですよ、女性にとっては。言葉のアヤで出たとしても、すぐに訂正するべきですよ。「遺産が入るなら誰でもいいのね」と聞くメアリーに対して、何時間掛かってでも誤解を解いて結婚を申し込んで欲しかったなあ。見ず知らずの他の女にアタックしてる場合じゃないでしょう。
さて、広告を見た花嫁集団が追いかけて来るわけですが。
なんでジミー、逃げ回ってるの?
大勢の女性に追いかけられて逃げ回るより、たった一言「あなたがたの誰とも結婚するつもりはありませーん!お引取り下さーい!」と叫べば済む事じゃないでしょうか?
また、この後花嫁集団をどうしたかも気になるところ。「あれは間違いでした」と一人一人に謝って回ったのかしら?そうでもしなきゃ許されないでしょう。女性達にも世間にもあれだけ迷惑かけたんですから。
そしてラスト、最大の怒りが爆発しました。
遺産が入らないとなると、メアリーに「身の振り方が解らないから結婚できない」。おいおい、愛は!? そこに愛は無いのかー!?
しかも、一転遺産が入るとなると「結婚しよう」のハッピーエンド。
それでいいのかー!?二人とも!
・・・と、この辺が納得いかなかったものの、映画自体は面白い作品でした。短時間でコンパクトにまとまってユーモアもアクションもドラマも凝縮されているし、台詞も色もCGも無くてもいい映画は撮れるというお手本。 ああ、この点数は付けたくなかったのに・・・でもやっぱり納得いかないなあ・・・。
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