[コメント] 血の婚礼(1981/スペイン)
映画を見終った人むけのレビューです。
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最初に出てくるのは花婿とその母。母は自分の夫や上の息子を殺した某一家を恨んでいて、また、その時のトラウマでナイフ等が大嫌い。ただひとり残った下の息子が仕事に使うと言って持ち出すことさえ、ブウブウ反対する始末。
そんな息子が妻をもらうことに。母はその婚姻自体は喜んでいるが、花嫁の義理の従弟がどうも気になる。なぜならその従弟と花嫁は婚約していたという過去があるし、何と言ってもその従弟の一家こそが、恨み骨髄の某一家であるからだ。
さてさて、その気になる従弟。彼にはすでに優しい妻も子もあるのだが、実は今から花嫁となるその昔の女を忘れられずにいる。ちなみになぜそのダメ男が花嫁の義理の従弟になるのかというと、花嫁とそのダメ男の妻が従姉だったりするわけで。そして、ダメ男とその従順で心やさしい妻がくっついたのには、実は花嫁が一枚噛んでいたりするらしく。ダメ男を愛してはいるが、乱暴者だし金はないしで結婚には至れない。だったら他の女とくっつければ自分も諦められるだろう。という、とんでもない理由がオッケーになってしまうほど、花嫁の家は寂しく辺鄙な土地にあり。ああ、なんと切ない父と娘だけの暮らし。言わずもがな、花婿はよい土地に家を持つなかなかのお金持ちなのです。
で、なんのかんので結婚式当日。ダメ男とたったいま結婚したばかりの花嫁は、焼けぼっくりになんとやらで式後のパーティー中に逃走。そのダメ男と花婿の家にはもともと家同士の確執もあったことから、花婿は(怒りが頂点に達し暴力反対の哲学も失った)母に手渡されたナイフを手に、ダメ男と花嫁を追いかけます。そしてふたりはそれまでの数々の遺恨も含め決闘にいたり、討ち死にとなるのです。
*ロルカはこの脚本を、実際にアルメニアかどこかで起こった事件の新聞記事をもとに書いたとのことです。<実際はもっとシンプルだし死人も出ていないらしいが。
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