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[コメント] オーメン(1976/米)

前兆。
uyo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







よく巷では、「不吉だ」と言われる事があります。馴染み深い所では、「黒猫が前を横切ると、悪い事が起きる」とか「日食や月食は、悪い事が起こる前触れだ」とか。実際に起きた不幸には、別に直接は関係がなくとも、なんとなく嫌な「予感」をもたらす現象です。

この映画のそこここには、そんなざわつく不吉な現象が、偶然(を装って?)ちりばめられていると思いました。これは全て私の思い込みと妄想、そう読み流して下さい。

最初に気になったのは、変な神父がグレゴリーペックのオフィスを訪れ、訳のわからない事を訴えるシーン。神父の後ろに見える壁にかけられた、おそらくは鷹の絵ですが、妙に翼が黒く厚く大きく、さらに両足も黒く太い。あれではまるで・・・。それからイギリスに越した夫妻の家、引っ越した最初と、新しい乳母が来たシーンで写っている壁に、あれはツタのような植物なのでしょうか?やはり二枚の大きな「黒い翼」のような形の模様が、夫婦の頭上にかぶさっている。

階段の下と上で、乳母と妻が会話をしているシーン、全てが白い中で、照明の傘だけが、黒々とした房を覆いかぶせている。カットが変わると、それはただの薄茶の傘だとわかる。ラグビー場でのシーン、立ち去ろうとする神父を、カメラマンが呼び止め、例の写真を撮る瞬間、神父の後ろを通り過ぎていた人が、神父の身体の中に重なる。また反対に幼いダミアンが一瞬姿を消した途端、母親の後ろには美しい白い白鳥が現れる。母親の部屋やインテリアは、おおむね白を基調としてイメージされる。その母親が命を落とす寸前、病院のベットから起き上がった時、黒々とした窓が目に残る。(何年も前に観た映画なので、本当はもう一度観ればこのカットはちゃんと他の何かを見るような気がするのですが、怖いのでもう一度は見たくないです。笑)

それから

カメラマンが命を落とすシーンの直前、散らばったナイフを拾うために、道を横切った時、彼の手前に大きな「鎌」が、何故かその刃を上に向けて置かれており、彼はちょうどその向こうを通り過ぎてゆく。これは個人的に一番わかりやすい。大鎌と言えば。

「オーメン」とは、確か「前兆」と言う意味。

ところで『MONSTER』と言う漫画は、この映画からも、強く影響を受けていますね。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)ナム太郎 ゆーこ and One thing[*] Shrewd Fellow[*] ダリア[*] ペンクロフ[*] はしぼそがらす[*]

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