[コメント] ペイネ 愛の世界旅行(1974/仏=伊)
これは笑える。とても愉快な映画だ。この奇妙な味わいというか脱力感がどこまで意図的なものなのか私には判然しないのだが、それも含めて魅力的な作品だ。絵柄は単純かもしれないが、作画のレヴェルはけっこう高いのではないかと思う。背景の美術や空の質感表現なんて見事なもの。
「東方の三博士に対してヒッチハイク」などの脱臼ギャグを真顔で矢継ぎ早にかましてきて、このユーモアの感覚にはちょっと恐れ入った。しばしば現れる無言の間(ま)が実に効果的で、つい笑いを誘われる。
この映画のメッセージ及びその描き方は、70年代当時ならいざ知らず、現在にあってはいささか時代錯誤の感がすることも否めない。だが、時代錯誤的だからこそ胸を打つ、とも云えよう。
ダンスシーンが好きな者としては、アニメーションにもかかわらずダンスが描けている映画としても評価したい。
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