コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 仕掛人梅安(1981/日)

原作(全20話)読了。その上で言うが、萬屋梅安が、誰よりも、原作に一番近いと思う。「三尺(180?)の巨漢、張り出した額の下のドングリ眼のブ男(ここは違う)」だ。あの丁寧なゆっくりした喋り方、彦さんとの会話も、原作そのものを目の当たりにしているようだ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語について。映画化する場合、原作の挿話を切ったり貼ったり繋げたりは常套手段だが、有名な(と思う)梅安の妹の挿話を全く改変したのは、脚本家の意欲の表れだろう。

そして変えるなら徹底的にと、全く酷い物語に仕上げたが、小川真由美(お園役)でよかったかどうか。難しい役だが、結果としてその‘哀れさ’が出せたかどうか、判断が難しい所だ。

キャスティングについては、良否いろいろ有るが、原作で面白いと思ったのは、梅安と小杉十五郎だ。

梅安のルックスは上に書いたが、小杉は、矮躯(背の低い体)の人で、こびとが長い刀を差している様と書かれている。つまりこの2人は、異形ながら達人(小杉は梅安を凌ぐ腕前)という設定なのだ。そして更には2人共人格者(という程でもないが)品性がある人として描かれている。

この品性という線に沿って、今迄TV、映画の小杉役はそれなりのキャスティングになっている。 では、梅安はどうか? 萬屋にはそれがあると思うのだ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。