[コメント] 牧童と貴婦人(1938/米)
これは実に良く出来たソフィスティケイティッド・コメディでヘンリー・C・ポッターという監督を激しく見直してしまった。グレッグ・トーランドの仕事として見る分にも興味深い。船上の濃霧の表現の美しさ。船長が司式する結婚式の仰角カットでは天井がバッチリ映っている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
実を云うと中盤迄は、詮無いことだ判っちゃいるけどハワード・ホークスのスクリューボール・コメディに比べれば随分通俗的だなぁ、と思いながら見ていた。例えばこの映画の良心を担っているハリー・ダヴェンポートが唐突に「ア・ティスケット・ア・タスケット」を唄いながらが踊るシーンの白々しさ。しかし後半になってマール・オベロンを待つゲーリー・クーパーと、ウォルター・ブレナンを中心とする牧童達が建てかけの家の中でシュールなジェスチャーを繰り広げるシーンではぶったまげてしまった。ブレナンの表情に大笑い。全く常軌を逸している。また、ラストで失意のまゝ家へ帰ったクーパーが遭遇する畳み掛けるような展開もグッド。
もっともマール・オベロンは『嵐が丘』のキャサリン役に比べれば幾分かマシではあるが、こゝでもギスギスしていて良くない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。