最初は強盗アクション映画だったのが､後半は仲間を利用して誘拐された娘を救出する主人公テイラーのサスペンス映画となり､意外性を出そうとしているが､その割には盛り上がりに欠ける｡

最初は4人の仲間で強盗をしていたのに､出所後は違う仲間をこぞって強盗をしていたので変だとは思ったが､ラストの展開には納得できた｡しかし､途中で仲間が金に目が眩んで裏切る演出を多用しすぎで､ラストのどんでん返しが意外にならなかったのが残念｡登場人物も多い割には主人公テイラーと娘のメーガン以外は個性があまり確立されていない｡ウィリアム･フォーサイスやダリル･ハンナなど新たに加わる仲間を演じる俳優は結構豪華なのにあまり活躍場面がなかったのも勿体ない｡

しかし､主人公テイラー役クリスチャン･スレーターの演技はかっこよくなかなか魅力がある｡ただ､人殺しはあまり好まない知能犯という特徴のあるキャラの割には賢さを生かした場面が後半は少なかった気がする｡テイラーの娘メーガン役ホーリストン･コールマンはスレーターと息の合った演技で今回もなかなか存在感があった｡仲間の一人を演じるヴァーン･トロイヤーもいい味出していた｡ヴァル･キルマーは出番が少なすぎてあまり狡猾な悪役っぽく見えなかった｡

ストーリー的にはテイラーとメーガンの親子エピソードをもっと作ってくれれば､メーガンの救出ももっと盛り上がった気がする｡二転三転する展開を盛り込みすぎて家族ドラマとしての良さが感じられなかった｡