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[コメント] 女体(1969/日)

これは面白い!アクション繋ぎの映画。いや、アクション繋ぎを気にせずにはいられなくなる演出なのだ。
ゑぎ

 浅丘ルリ子のダンスも、岡田英次川津祐介の格闘も、浅丘と伊藤孝雄の浜辺のシーンも、ラスト近く、岡田が公衆電話ボックスに入る動作なんかでも、全部、人物のアクションの途中で時間を継続するかたちでカットを繋いでいく。普通なら静物等の空ショットを入れたり、二人の人物を切り返したり、さりげなくジャンプカットで繋いだりするところを、全てアクション繋ぎで徹底しているのではないか。ちょっと驚異的な演出だと思う。複数台のカメラを同時に回しているようには見えないので、どれだけ撮影現場が大変だっただろう、逆に云えば、統制が必要だっただろう、と感じ入ってしまった。

 そして、浅丘の衣装と色遣いも面白い!浅丘の衣装の色に合わせた室内装飾なども。グリーンのパンツとブラの場面のベッドカバーは薄緑色。赤い衣装の時は、赤色のベッドカバーに変わっている。浅丘はほとんどのシーンで、超ミニか、下着まで透けて見えるパンツルックだ。

 全体、浅丘ルリ子の圧倒的な女優映画だが、主要人物は皆、普通じゃない強い造型で、キャラクタリゼーションも全く増村らしい。中でも岡田英次は、その堅苦しい、生真面目な演技がフィットしてメチャクチャ面白かった。岸田今日子も前半目立つが、もうちょっと絡んでも良かったと思う。

(評価:★4)

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