[コメント] アイデン&ティティ(2003/日)
オレが物心ついた頃、ロックはすでにコマーシャリズムと同衾していた。一方では少数のカリスマを中心にした新興宗教になっていた。だから「ロックとは○●じゃない、◆▽なんだ!」と今更絶叫されても全く共感できない。ただの音楽の一ジャンルに燃えてる男の姿を見るだけだ。
この主人公のようなディラン教徒やら、レノン教徒やらいろいろいるようだが、既成のモラルや道徳を打ち破るつもりで、そのまま新しいモラルの発信源になってる連中のために血涙を流す趣味はない。それゆえ、何かといえば無宗教でノンポリであることを誇りたがる若者たちが、知らずに彼らの原理主義者になっている図はみっともなくて見ていられない。
この映画はクドカンの脚本のおかげですんなり楽しめたけれど、その後には何も残らない一凡作に過ぎない。まして感動など思いの外であって、エンドタイトルを見ながら溜まった仕事のことを考えるのみであった。
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