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[コメント] 美しい夏キリシマ(2003/日)
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★5戦時下という名の日常。誰にとってもそれが日常である限り、その歪みは決して歪みではなく当然の日々であるという今の我々には想像しがたい過去の現実を黒木和雄監督は実に静かに見せてくれた。受け継ぎ、受け継がれてゆくべき体験的教訓映画。 (ぽんしゅう)[投票(7)]
★5こんな格調のある、無駄のない、日本人のその時代の痛みをこれほど描き切った映画が今までどれほどあったか。まさしく渾身の1作。見終わった後こんなにじわじわ流れる涙も珍しい。黒木映画の到達点。 (セント)[投票(4)]
★5目が離せなくなるとは、このことだ。キリシマの夏の日常が、心に傷を負った少年の視点を中心に、静謐な雰囲気のなか、実に淡々と描かれる。「戦争」を肯定も否定もすることなく、ただありのままを描いて、観るものに逆に突きつける。ゆったりした空気のなかにある、ピンと張り詰めたもの。一糸乱れぬ緊密な美しさがここにある。完璧だ。『ワンダフルライフ』で注目の小田エリカはじめ、女優がみな美しい。 [review] (ことは)[投票(3)]
★5悲劇的要素を殊更抽出することもなく、この淡々とした日常は現在の夏の日々と大差はない。違うのは目に見えぬ不安という「空気・匂い」だ。これまでの邦画でここまで「空気・匂い」を描けた作品があるだろうか。私には★がいくつあっても足りない作品になった。 (sawa:38)[投票(3)]
★5「自分の方が生き残ってしまった」という、挺身を第一の美徳として育てられた日本人がこの戦争で抱えることになる原罪と、迫りくる終局を日常の中で迎えようとする静謐な狂気を描く。今の日本の若者に伝わるであろうか? (死ぬまでシネマ)[投票(2)]
★4南国の有無を言わせぬダイナミックな自然のもとで、戦争は限りなく卑小な出来事に近づいてゆく。そしてだからこそ、個のレベルにおいてのその事実は哀しく深い。 [review] (水那岐)[投票(8)]
★4燦爛とここかしこ、陽の光漏れ落ちたれど、わが青春は押しなべて、晦闇の嵐なりけり −ボードレール [review] (町田)[投票(3)]
★4主人公を筆頭にどの出演者もこの風景に分離する事無く溶け込んでいるので、郷は違えども本当の近所の人や友達を見るように映画を身近に感じた。この映画を想う時、同時に主人公の友達の姿を頭の中で想像してしまうので辛い。 (レディ・スターダスト)[投票(3)]
★4地方のコミューンのエロスとタナトスの混在を描いて『祭りの準備』姉妹篇の趣があるが、男が不足する世界で枯れた原田が色気を抑え基軸となり世界をこちら側に繋ぎとめている。総じて女優陣も素晴らしいが、それ以上に特筆は田村演出の室内の夢幻光。 (けにろん)[投票(2)]
★4人間がどんな行いをしていても、自然はただそこに佇んでいる。それをどう思うかは人間側の勝手な理屈なのでしょうが、ここに切り取られる自然の美しさは残酷な美しさに見えます。 [review] (甘崎庵)[投票(2)]
★4田舎町にとても郷愁を感じる俺は、本作を観て第一に「えびの高原に行ってみたい」と思った。市街地が舞台であったらたぶん観てなかったかも。戦時下に於けるミニマムで緩やかな人物活写は、やはり隔世を感じるものの何かとても大切なもののように思えた。 [review] (クワドラAS)[投票(2)]
★4銃後の話。終戦日を境に画面が明るくなったように感じたのは、私だけだろうか。もっとも登場人物彼らの苦悩は、何も変わらないのだけれど。黒木73才の作品。各々の苦悩を一歩引いて、落ち着いた視線で見つめた。 [review] (KEI)[投票(1)]
★4こんなにもひりひりとした肌合いの戦争映画は初めてだ。 [review] (緑雨)[投票(1)]
★4僕は正直言って、こういう映画にどのように感動すべきか迷っていた。しかし、あの山、川そして夏の空を見ているうち、遠い昔の記憶が蘇ってきた。 [review] (chokobo)[投票(1)]
★4戦闘場面なしでも理不尽な戦争の傷跡を見せた。夏の静かな農村の美しさが染みます。 [review] (ざいあす)[投票]
★4香川照之の最後の表情がいいですね。 (ぱちーの)[投票]
★3題材を突っ込みすぎて、一人一人が十分描ききれなかった恨みが残る。この映画の最も優れた特徴は、家屋。あの日高家の家屋を始め、どの家屋も実に存在感がある。家屋撮影の最高到達点をマークした映画として私の記憶には残るだろう。 (ジェリー)[投票(2)]
★3銃後の世界の『エヴァンゲリオン』 (ペペロンチーノ)[投票(2)]
★3「...そうかんがえたら、ちょっとだけうれしかね。」 自分ではどうしても埋めることの出来ない空洞を忘れたくて、しのんでくる(いや、白昼なんだが)兵隊(香川照之)を夢中で求めるイネ(石田えり)だった。人の心の虚ろを目の当たりにしたときにも、涙が出てしまうことを知った。 [review] (kazby)[投票(1)]
★3現在17歳の俺。シュワちゃんとスタ公とジャッキーで育ち、そして「はだしのゲン」で学んだ世代です。多分。 2004年3月29日劇場鑑賞 [review] (ねこすけ)[投票(1)]
★3戦争の悲惨さ、愚かさを一般市民の何気ない生活の中に、美しい景色と共に淡々と描いた、黒木和雄お得意の題材。['04.2.9MOVIX京都] [review] (直人)[投票(1)]
★3柔らかい草の絨毯に白シャツで寝そべり見上げる青すぎる空。これで画的には満足できるものがあった。戦争へ直接関与がない人間達の感情を丹念に描いてて飽きずに観れたけどそれまでと言えばそれまで。平岩紙の芸達者ぶりには驚かされた。70/100 (たろ)[投票]
★3痛みが見えそうで見えない。この戦時中の日常が、うまく想像しきれない。 (あちこ)[投票]
★3演技陣、撮影、音楽その他全てが上質。しかしいまいち力強さに欠ける。 (赤い戦車)[投票]
★3印象的なエピソードは数あれど、やっぱり記憶に残ってしまうのは石田えり香川照之の情事の場面なんだよ。まぁ、そんな奴は私だけなのかもしれぬが。 [review] (青山実花)[投票]