[コメント] タンポポ(1985/日)
改装前の店の方が美味そうに思えるのは自分だけだろうか?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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正直、改めて観ると大した映画じゃないんだけど、バブル前夜の享楽的な雰囲気が懐かしくも楽しい。
主演が山崎努で、脇に渡辺謙、サイドストーリーに役所広司って、今となっては何とも豪華なキャスト。
そして、官能シーンの撮り方はやはり天才的だと思う。食と官能を直接的に結びつけるアイデアの数々。有名な生卵の黄身のシーンだけでなく、黒田福美の腹で踊る海老や、牡蠣の殻で唇を切って血が滲むシーンの洞口依子も絶品。
笑える件りも多々あるのだが、照れ隠しのようなベタなオチを直後に入れてしまうあたりが無粋かな。
最初に山崎努がタンポポのラーメン屋に入るシーンこそ、おお西部劇だ!と思わされたが、ラーメン・ウエスタンと称するほどウエスタンなわけでもない。
タイトルバックは黒澤風、マーラーが流れるのはヴィスコンティ、宮本信子が中華鍋に落とされそうになる悪夢の構図はヒッチコック、役所広司の最期はゴダールを連想した。
大友柳太朗のラーメン講釈、スーパーの売り物をぷにぷに指圧する婆さんも印象深いが、個人的に一番のお気に入りはチャーハン作って絶命するお母ちゃん。そして、ホームレス高見映(ノッポさん)が厨房に忍び込んで作るオムライスは本当に美味そうだ。
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