コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 青春ア・ゴーゴー(1966/日)

GS演奏が思いの外ハードで素晴らしく、台湾語と英語のチャンポンで飛び入りするジュディ・オングが格好いい。ジーン・ビンセントで有名なSay Mama、途中で出鱈目に入るブラスが素敵。比較的どうでもいいのだが、地道な話も好きだ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







バンド名ヤング・アンド・フレッシュ(三部作がある由)。青島作詞の主題歌はダサいし、演奏は唄伴になると軟弱寄りになるが、インスト曲はどれもハードでいい。出演しているスパイダーズも同傾向で、本当はこのようにハードに演りたかったのだろう。会社の倉庫のインスト曲からして格好いい(演奏練習初日からあんな上手く合わせられる訳はないが)。後半何度も登場するラスベガス・ゴーゴー・ダンサーズもいい。この当時は外国人ビキニのダンスなんて稀少価値だったのだろう。

勝ち抜きエレキ合戦みたいな出演番組はビートビートショウと呼ばれ、提供はVANとEchoなる国産アンプメーカー。勝ち抜きエレキ合戦はジュディ・オングが司会を務めていた由。10周勝ち抜きの大喜びの折に相手バンドがBGM演奏しているのはおかしいと思う。というか笑っちゃう。

物干し台占拠してドラム叩く和田浩治。映画は物干し台を色んなシーンに使ってきたが、これは画期的だろう。五十数番レーンもある立派なボウリング場が舞台になっている。太田雅子は普通の女子高生役が新鮮で叱りまくりキャラ。兄の山内賢の数学問題を解いてしまう件が愉しい。兄さんより先に大学生になっちゃうから。旧世代代表菅井一郎さんが最後に車椅子から立ち上がってバンドの優勝を喜ぶのが感動的だ。

才能溢れるジュディが浜田光夫らのバンドを足掛かりに世に出て、浜田らは日常に戻る、という物語。練習所探しなどで苦労したのに屈託がないのが無償の青春で感じいい。太田、浜田、和田が走り去るラストも決まった。日活のモノクロチームは相変わらず最良の仕事をしている。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。