[コメント] マスター・アンド・コマンダー(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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親友のドクターが渇望する島の上陸。
これって現代だと未知の星、木星まで来たのに戦争中で相手の宇宙船を追っかけるのにやっきになって木星探求スルー状態とも言える。そりゃぶちぎれるわな。だとしても余りに戦いが鮮烈な為、話のバランスが圧倒的に「戦争モノ」になってるわけよ。そういう状態の乗組員+観客の気持ちにドクターのわがまま(この時点でわがままと表現するのが妥当なのが敗北)が水をさしている様に感じてしまうのがいかんのです。
これって大砲の音のリアルさに異常なほど執着したエネルギーと当時未知の生物の探求がいかに貴重だったかの認識提示のバランス悪さに起因するわけです。そこでこれを説明するのに現代のたとえ話を冒頭に持ってきたわけだ。現代の人ならば木星の謎と戦争相手の国の船撃墜とどっちを優先するかって話なのだ。
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船長とドクターの意見の対立にも当時の思想の対立が垣間見れる。船長や幹部候補生(少年含む)は貴族であり一般の船乗りとは最初から立ち位置が違う。フランスはそういった階級社会から最初に脱した国でありイギリスの貴族はそういった運動には文字通り自分の首が懸かっているわけだ。その力関係の危うさを如実に表しているのが自殺した彼である。単に団体の中でいじめられていた、という意味ではないわけだ。
にしてもいずれも当時の世界状況の説明不足だと思う。俺も後からそういう意味づけをして気がついた位だし。
そしてそういった事を一番端的に表しているのが映画の予告(の的外れ要約)だと思うのよ。
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