魅力的なビジュアルや、長尺にも関わらず意外とスッキリした分かり易い話の流れ。でもその親切さゆえに、どこまでも魅力的なアトラクションの域を出ていないような。哲学的な話ながらも、それほど観客に（積極的な思索は別として）「考えること」を必要とさせない作り。それをウレシイと取るか、もの足りないと取るかは、人それぞれだとは思いますが・・・。

（比べるものでもないのかもしれませんが）少なくとも『２００１年宇宙の旅』を見た時のような、「未知の世界に放り出される戦慄」みたいなものは感じませんでした。何気に足場がちゃんと用意されていると言えばいいのか・・・。でもベルトでしっかり固定されているという安心感があればこそエンターテイメント、安全装置が外れたらそれはもうエンターテイメントの枠からは外れるワケで。でも（このテのテーマだとなおさら）枠の外の世界を肌で感じたかった、というのが正直なトコロ。

とはいえ、（突っ込みドコロを割り引いても）飽きさせない作りになっているので、なかなか楽しめました。ジョディと旅する150分間バーチャル哲学の世界（かな？）。[3,5点]