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[コメント] 昼下りの情事 古都曼陀羅(1973/日)

すでに縄もの、エロ密教好みでほとんどヒンズー教、曼荼羅と云えば余りにも曼荼羅。いろんな神社仏閣でプレイしまくる山科ゆり風間杜夫はこのとき即身成仏しているのだろう。常識では決して成仏できないだろうと思わされた。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







風間杜夫に向かって三段跳びアップで迫る、梶芽衣子みたいなシルクハット被った山科。連れ込んだ宿屋の風呂場で「キスなんかしたことないんです」と云いながら黒い下着で横たわる。土鍋をガスコンロにかけた机の下で継続。「なかなか手の早い男はんどすな」と姉の宮下順子に報告する女将の堺美紀子という。

「若い男と寝てきたお前の体が見たいんや」と鋏で乳首切る父の日本画家坂本長利の富岡幻舟。この父はピンポン球で女子高生の頃からもて遊んだ由。覗き見してエキサイトする宮下順子に目隠しをしかける影山英俊

次の日すっかり結婚する気でいる風間の背中には、弄ばれる予感が蔓延している。風間が好きになった山科に幻舟はピンポンプレイで谷崎系列の引き留め工作。そして縄ものになり「ちょびっとだけ傷つけてもええか」と包丁持ち出し、傷にレモン汁たらすのであった。

最後は京都の森の中で全裸になる山科と風間。遭遇する仏塔群はヒンズー教好みで、天まで伸びる竹も同様に陰茎の暗喩なのだろう。小沼はモノホンの変態だったらしい。以下終盤、いろんな神社仏閣でプレイする主演二人は密教的には即身成仏しているのだろう。常識的には決して成仏できないと思われた。最後に山科は風間を置き去りにして新幹線。

京都なのに劇伴フラメンコギターという異化するセンスがいいのだが、ぴんから兄弟のウンコ艶歌も交える趣味は難解。

(評価:★3)

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