[コメント] デーヴ(1993/米)
一市民が突然大統領になるも、大統領以上の成果をあげていくサクセスストーリー。「あなたが寝てる間に…」とダブらせて「大統領が寝てる間に…」にせず「デーヴ」にしたのが逆に裏目に出てしまい、駄作に埋もれてしまった秀作映画。
そして、ピーター・セラーズの「チャンス」という問題に対してのアンサーだと終始感じた。知的ユーモアが得意なピーター・セラーズの精神がフィルム全体に見られ、好感が持てたのはケビン・クラインの力が大きい。彼は芸達者。
そして、コノ手の映画にありがちな政治の難しさを説くハイソな内容にはせず、政治の難しさの原因の陳腐な様をデーヴが動く事で自然に強調させる手法を用いた監督のピーター・セラーズ的センスも良い。
現状を皮肉り(例:共産党のように)痛烈に批判しっ放しにはせずに問題の対案・解決方法をしっかり示しながら、コメディとラブロマンスが入った話を成立させる作業を進めて作品を世に出す。アニメ・ドラマの付録、アイドルのプロモに映画を撮る状態の日本映画界で、このような一連の高度なオーラが自然に滲み出てくる映画が出ないものか…。
2000/8/9
[追記]
「あなたが寝てる間に…」1995年だから「大統領が寝てる間に…」は無理だわ。けど、宣伝部!ひねれよ!
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