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[コメント] ラヴィ・ド・ボエーム(1992/仏=伊=スウェーデン=フィンランド)

カウリスマキが一貫して描いているのはボヘミアンである。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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2007年以来の再鑑賞。初鑑賞時は気付かなかったのですが、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」で有名な、アンリ・ミュルジェール「ボヘミアンの生活の情景」という小説の映画化です。カウリスマキは構想に15年もかけて「原作を台無しにしたプッチーニへの復讐をこめて」映画化したそうです。なんだそれ?

そのせいでしょうか、劇中「オペラは死んだ芸術」という台詞を吐きます。そしてなぜかエンディングは日本語の歌『雪の降るまちを』(トシタケ・シノハラという人が歌っているそうだ)。何だろう?カウリスマキ的なオペラなのかな?違うね。

この映画は、作家、画家、音楽家という「芸術」を志す「ダメ男」たちの物語です。カウリスマキは常にダメ男たちに愛情を注いだ作品を撮っているように思えます。そして、「流れてきた者」か「去る者(去ろうとする者)」を描く。つまり「ボヘミアン」なんですよ。

カウリスマキが一貫して描いているのはボヘミアンである。そう考えると、この作品はカウリスマキの根幹に関わる作品のような気がしてきました。

(2023.08.10 目黒シネマにて再鑑賞)

(評価:★4)

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