[コメント] 仮面ライダーV3対デストロン怪人(1973/日)
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最近のテレビ特撮作品はドラマ部分に重点が置かれ、殊更主人公の弱さや、人間関係などが克明に描かれていく。特撮作品が子供だけのものでなくなり、全年齢対象へと変化していったと言うことで、これはこれで歓迎すべき事。
だが、子供の頃、私が燃えた特撮はこうじゃなかった!
確かにストーリーは極めてシンプルで、主人公が精神的にねちねち追い込まれるような描写はなかった。派手な演出と単純なピンチピンチピンチの連続。嫌味とも思えるほどに主人公は必要以上に格好良く、どんなピンチにもにやりと笑いつつ飛び込んでいった(まともな実生活が出来るとは思えないほど)。それで充分だったのだ。なにより、そこには命を賭けて演じた生身の人間の魅力ってものがあった。
そう。今のようにCGでごまかしが利かない分、生身でどんな危険にも飛び込んでいくことが役者にも求められたのだ。
それを突き詰めた作品と言うのが、本作の最大の魅力だ。
TV版でも充分派手に本物の爆薬が使用されたものだが、この作品に使用された爆薬の量は半端じゃない。渓谷で20メートル近く吹き上がる爆発。島の形を変えるほどの巨大な爆発。さらに変身前のスタント無しのシーンで至近距離でまで派手に爆発する。本当にこれ、命賭けてるよ。
今になってこれを観ると、しみじみ「何と危険なことをやってたんだ」と思わされるし、本当によくこれで死人が出なかったと思えるほどだった(はっきり言って、スタントの命をこれほど心配したのは『マッド・マックス2』(1981)以来だ)。よくこれが映倫に通った。それほどの作品だった。安全基準の問題で、現代では絶対無理。
それと主人公風見志郎を演じるのは、特撮界きっての“格好良さ”を追求した役者宮内洋。ケレン味たっぷりの演技にも燃える(と言うか、強制的に燃えさせられるというか)。
ストーリーはシンプルながら、V3絶体絶命の危機に、死んだと思っていた1号、2号が現れる!と言う燃えるシチュエーションで見せてくれる。
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