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[コメント] ビッグ・フィッシュ(2003/米)

よく出来た映画であると思うし、テーマ的な部分には多い共感するんだが…。
Kavalier

フィクションは現実と同じくらい素晴らしい。フィクションは決してリアルに従事する存在ではなく逆にリアルがフィクションに従事することすらありうる。我々も人生もまたフィクションの一部でもある。こういった作品のテーマには大賛成だ。

ただ、アルバート・フィニーが熱演すればするほど、彼が語るホラ話の話中で若き頃の彼を演じるユアン・マクレガーとの乖離が広がっていくパラドックス。もちろん、外見なんぞは一致していなくともいいんだが、声の問題が大きくて、この映画が「語り」の映画である以上、2人の「語り」転じて「声」をイコールで結べないのは少し辛い。回想パートから現在パートに戻ってきた時の繋がりが巧くいってないと言うか。暴論を承知で言うなら、いっそのことユアン・マクレガーに老年にいたるまで演じさせてもよかったのではないか。

それはそれで、ティム・バートンが『スリーピー・ホロウ』において原作のワシントン・アービングのアメリカの原初のフォークロアを復活を試みことからの繋がりとして、本作をピアソンなんかに代表される現代南部のホラ話作家の映像化を試みたということに着目して見るといろいろおもしろそうだ。父性を扱っていることからも、アメリカの保守化を読み解くこともできるんだろうが、まあそれはどうでもいい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ざいあす[*]

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