[コメント] 下妻物語(2004/日)
このローカルぶりは、誰もが抱いている自分のコンプレックスとの戦いである。コンプレックスの克服こそがこの映画のテーマなんだ。(と思う)
だって不良だっえ暴走族だって、何かが彼らをそうさせちるだけのことであって、それに理由なんかないはずなんですね。フェチたって変態だって、それぞれは自ずから自覚なんかないんですね。ホモだってレズだったそうです。なんでって聞かれたら、「だってそうなんだもん」という答えが返ってくるでしょうね。それでいいんじゃないんですかね。
この映画に出てくる人物達はそれぞれにコンプレックスを抱いています。
ロリフェチにしろ暴走族にしろ、その親にしたって自分からそういう世界に入り込むことに理由を見いだしているわけではありません。
それは、それぞれのコンプレックスに対する裏返しなんでしょうね。
映画はとにかくプライベートムービーかしており、この中で語られる背景は、その地に住まう者でないとわかならいでしょう。でもそれを見せて楽しませることができるのは、コンプレックスを解放しているからなんですね。
コンプレックスの解放、これは映画や小説を作る者にとって避けて通ることのできないことです。自分の恥や経験で秘めたものを表現することが、彼らの仕事だからです。それは多くの友人や家族をも巻き込む決死の作業なんですね。
『血と骨』なんていう映画を見て、同じことをつくずく思いました。自分をさらけ出すことの辛さ。それこそが芸術表現なんですね。
マニアックでアニメチックな映画でしたが、この映画には真剣に自己表現を追い求める作り手の気持ちが伝わってきました。
とても楽しかったです。
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