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[コメント] 下妻物語(2004/日)

同じ日本人だから、同じ年代だから、だからこそ、その叫びに熱くなり、嬉しくなる。嬉しくて嬉しくて仕方が無くなる。 2005年3月6日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そして、俺が大人になった時、この映画を見て自分の人生に照らし合わせて感動するんだろう。そんな事を考えると、悔しくて悔しくてたまらなくなる。大人にならなければ「青春」を認識できない。リアルタイムで自分の事を「青春」と思っているのは、そんなのは所詮ドラマや映画、小説と言う類のフィクションを現実に投影しているだけであって、本当の意味で「青春」の価値を認識するのは、その時間が過ぎてからなのかもしれない。

だとすれば、俺はこの映画を見て嬉しくて仕方がなかったと同時に、悔しくて仕方が無かった。生粋のダメ人間で、努力も努力をするための努力も怠る俺自身に唾棄しながら、結局惰性に流され何もせずに願望だけをのたうって偉そうにしてる俺。好きな事を好きな様にも出来ず、楽しい事を楽しむ事も出来ない糞ったれの俺自身。

スクリーンの中は輝いている。俺は、その映画と対峙して、凄く嬉しくなる。そこに行ってみたい世界があるのだから。でも、それを見て喜んでいるだけの現実を、その時同時に認識させられる。そして己の無力さを・・・・

何を書いてるんだ?俺は。

非常に優れたエネルギッシュな映画で見ていて嬉しくなった。絶妙に小ネタを盛り込みながら、ひたすらテンションで押し切る。例えそのネタがローカルネタでも上手い事万人が楽しめる様に仕上げてあるのも素晴らしい。そして当然後半段々シリアスになっていくにつれ、物語が段々と熱を帯びていき、最終的にオチをつけながらも泣かせる。

ただ不満を言えば、最終的に卑弥呼と言うキャラクターを架空の存在しにしてしまった事がなぁ・・・ベタでもいいから、あのお婆ちゃんが卑弥呼だった、とか、そう臭わせるとか、そういうオチにして欲しかった。

まぁ正直、そんな物本筋と何の関係も無いし、こんなに面白いのだから何の問題も無い訳だけど。

(評価:★5)

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