[コメント] 東京原発(2002/日)
福島県郡山市の中学生だった昭和50年代後半、社会科の教師が私たちにこう教えました。
「福島にある原発は東京電力のものなので、私たちの電気はつくっていません。なぜわざわざ福島につくったかというと、東京など大都市圏につくって事故が起きたら大変だからです」
大変バカにした話ですが、根っから能天気だった私は、「まあ事故さえ起きなきゃいいや」と思っていました。確かに大都市圏で事故が起こったら、被害は今回の比ではなかったでしょう。
福島に原発が建設されたのは、地元の熱心な誘致などの金銭絡みのことは置いておいて、東京からそう遠くないこと、そして何より皮肉なことに、「地震が少ない」ことが大きかったと聞いたことがあります。
が、耐用年数も過ぎてガッタガタのまま放置していたら、現存する福島県民としてはほぼ初めて体験する大地震に津波で、チェルノブイリに比肩するような大惨事になったわけで、何かもう、いろいろ突き抜けて、笑うしかない状態になっております。
震災直後、東電エリアのすべての人々を呪いたい気持ちにすらなったことがあります。
自分たちが一番の受益者のくせに、放射能怖いとか言うなよー。あんたらそんなに離れた場所にいるじゃん。ホットスポットとか知らないよー。福島なんて(会津以外)ほぼ全域ホットスポットだよー。年間100ミリシーベルトまでは大丈夫とか言われて、頭軽く麻痺してるよー。
今思うと、全く理論的ではないのですが、毎日毎日上記のようなことが(もっと酷い表現で)頭に浮かんでは消えての状態でした。心配してくれた関東圏の知人に八つ当たりしたことすらあります。
震災と事故から1年9カ月たち、今は、妥協とほんのちょっとの辛抱の中で生活し、12キロのダイエットに成功したことを「放射能のおかげかな」と自嘲気味に言えるようになりました(ダイエットのきっかけは糖尿の疑いありという診断だったのですが、その糖尿も放射能の影響だと言われそう)。
「誰かが世界はもう 終わりだと言っていました。でも私たちは楽しく暮らしています 」(2010年アニメノチカラ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」より)
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