[コメント] 土俵祭(1944/日)
兄弟子の暴力事件とか八百長とか、昔も大相撲をドラマにするとこうなっちゃうのだ。私的ベストショットはフルオーケストラをバックにした千恵蔵のお茶目なひとり稽古。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
年代考えるとのんびりした話で、よく検閲通ったなと思う。「日本一!」など競っているご時世ではなかっただろうに。「相撲は勝てばいいのではない」なる魂の精神論は、ミゾグチの『宮本武藏』とも通底するもので、結局ちゃっかり勝っちゃうのも同じだが、必至で団結して戦おうというニュアンスは皆無。現存版は5分カットされているらしいが、そこでいつもの「撃ちてし止まん」と共に、すごいシーンがカットされたのだろうか。
映画は明治中期の相撲の風景を再現して貴重なんだろう(露店なのは回向院なるお寺で催されたかららしい)、他もいろいろ珍しい美術で飽きない。しかし、肝心の相撲に迫力がないのは如何ともし難い。巨漢の岸井明が負けるのがおかしい、ぐらいにしか見えないのだ。他の女と一緒の籠に乗っているのを見ただけで千恵蔵を諦める市川春代の勘違いは、悲恋のクライマックスを彩るにはちと間抜け。「土俵祭」はWikiによれば大相撲の祭事らしいが本作にそういうニュアンスはない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。