[コメント] ヴァンダの部屋(2000/ポルトガル=独=スイス=伊)
彼らが置かれている特殊といえる状況下で、彼らがとっている行動や反応を固定カメラの映像から覗いていると、まるで異世界の話、SF作品を観ているかのような気分になる。それはひとえに、彼らが諦念もあって落ち着いているからだ。
屋内シーンが大半で、しかも動きが多いわけでもない。たまに屋外のシーンがあっても狭い路地のシーン。 ようやく開けた屋外のシーンだと思えば、建物を重機で壊しているシーンでさらに閉塞感が高まる。
ヘロインを吸うか、ヘロインの粉の残りを電話帳のページからかき集めるか、野菜を売るかのヴァンダ。 同じくヘロイン(だかコカイン)を静脈注射するか、部屋を掃除するか、銀のスプーンを売ろうとするかのパンゴ。
ヴァンダらが食事するシーンには室内だがハエがブンブン飛んでいるし、パンゴらが住み着いている部屋は電気も通ってなさそうなうえ、おそらく窓ガラスもなく寒そう。
それでも彼らはその状況に対して、強い不満はぶちまけない。
「さあみんな 船を乗り換えるぞ」の声の弱さから、今後への不安の大きさは推し量れるが。
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