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[コメント] MAY−メイ−(2002/米)

メイ役アンジェラ・ベティスは非常にキュートで可愛いし、神秘的な空気が漂う女性の役どころのイメージにピッタリで見事にマッチしている。はまり役。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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猟奇サスペンス版『アメリ』。ストーリー的には『ストーカー』に近いものがある。

大人になるまで人付き合いが苦手で友達ができなかったが、母親からもらった人形のスージーに話し相手になってもらうことで自分の空虚な人生を埋めてきた主人公メイが、スージーのアドバイスで自分から友達や恋人を作ってみることにしたのだが、自分の奇行ゆえに初めできた恋人であったアダムから避けられ、友人であったポリーは新しい恋人の女性を見つけられたのをきっかけに距離をおくようになってしまう。

そして、自分の少女の頃の姿と重ねて見ていた盲目の少女に優しく振舞うことと、スージーを唯一の親友と思うことで何とか平然を保ってきた彼女が、盲目の少女にスージーを壊されたことにショックを受け、さらに輪を掛けるように通りすがりのパンクロッカーの青年に友人になって欲しくて奇行な行動に出てしまったために、青年から「誰がお前なんかと友達になるか」と激しく罵倒されたことで、自分の中でそれまで築き上げてきた友達を作るという理想が他人に受け入れられないという現実を思い知らせれ、最後は彼女自身が感情の赴くまま、自分で理想の友達を作るために、自分が素晴らしいと思った体のパーツをもつ人物たちへの殺人を重ねるという展開。

ラストでのメイの殺人が純粋に友達を作りたいという彼女なりの行動であるために、従来のサスペンス映画にあるような猟奇性は感じられず、悲壮感が漂う。最後は従来なら警察が彼女を逮捕したりするような救いようのない展開で終わらせがちだが、あえて自分で友達を作ったが本当に動き出したと思わせる救いようがある展開で、彼女の行動が報われたような終わり方にしたところは好感が持てるし、感動できる。

どことなく『アメリ』のような空想好きそうな女性を主人公にしながら、話のペースはホラーチックになっているため、ストーリー展開自体は少々肩入れしにくい部分もあるが、メイの友達を作りたいという純粋な願望は素直に伝わるし、友達を作るために奔走する彼女の健気な行動を見てて、ラストでその行動が叶ったところに何かホッとさせられるものがあり、監督の演出の術中に見事にはまった気がする。

役者としては主人公メイを演じるアンジェラ・ベティスは非常にキュートで可愛いし、神秘的な空気が漂う女性の役どころのイメージにピッタリで見事にマッチしている。はまり役。ポリー役アンナ・ファリスは従来のサスペンス映画に登場する脇役的なキャラだが、今までの彼女の役どころにはないレズビアンの役どころに挑んでいる辺りに彼女のチャレンジ精神が伺えて好感が持てる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナッシュ13[*] kawa[*]

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